2018年03月23日

埼玉演劇の登竜門となる作品へ…オール埼玉キャストの舞台「永遠の一秒」の魅力に迫る

埼玉演劇の登竜門となる作品へ…オール埼玉キャストの舞台「永遠の一秒」の魅力に迫る

不定期ライター : となりのスゥさん

ある日、Twitterでオール埼玉キャストで上演される舞台があることを知りました。

忍城おもてなし甲冑隊でも活躍されている野原のぼさんが出演されるということで、俄然興味が湧いてきました。

埼玉県行田市にいる“ゆるすぎる成田長親”に会ってきた

2016年04月04日

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舞台『永遠の一秒』は、平成27年に行われた第27回池袋演劇祭にて優秀賞を受賞した作品です。

※池袋演劇祭…豊島区を舞台公演の盛んな場所として「演劇のまち」とアピールし、さらなる劇場都市としての飛躍を目的とした祭典。

永遠の一秒
1945年(昭和20年)春。海軍大尉、大宮英機、細野十郎は3人乗りの陸上爆撃機『銀河』に乗り込み、怪我をした戦友、原口千里を一人残して、米艦船目指して宮崎基地を飛び立った。三人を乗せた『銀河』が「サヨナラ、サヨナラ」と発光信号を送り続けながら離陸する。原口はそんな機を見上げ「戻ってこい!」と叫んだ。3人は「新生日本!万歳!」と叫び、その21年というあまりに短い生涯を終えた……はずだった!

数回の公演を経て、平成30年度版の『永遠の一秒』は、オール埼玉キャストで4月3日(火)より3日間、彩の国さいたま芸術劇場での上演が決定しています。

それにはどんな経緯があったのか。

主催の、アルコグランデ代表の木原真弓さん、座長の森田桂介さん、野原のぼさんにお話を聞いてきました。

 


オール埼玉キャストになった経緯

向かって左から木原さん・森田さん・野原さん

木原:舞台『永遠の一秒』を観た瞬間に、なぜか分からないのですが「この作品を埼玉でやりたい!」と思ってしまったんです。それがきっかけで、どうせ埼玉でやるのなら今まで一緒に仕事をしてきた人たちをキャスティングして、さいたま芸術劇場で上演したいなと思ったのが始まりです。

木原:また、埼玉県の文化振興事業の一環としてやりたかったのも理由の一つです。

※埼玉県文化振興事業…文化・芸能・芸術などの体験・養成・発掘のサポートを目的としたもので、事業内容は多岐に渡る。

 

『永遠の一秒』出演のオファー

森田:僕は3回目の出演になるのですが、特攻隊を題材にした物語なので、戦時中の事を勉強して役に挑まないといけないなと思いました。

野原:脚本・演出の畠山さんの作品には出演したこともあるので作り手として信頼していますし、参加できることにワクワクしています。

 

野原さんは約8年ぶりの舞台出演

野原:今回はいろんなタイミングと縁が重なって。(普段の)忍城おもてなし甲冑隊の活動も大切にしていますし、舞台に出ることで疎かになってしまうわけにはいかないので、プロデューサーの木原さんと相談し、出演が実現しました。

野原:レポーター(の仕事)は、自分でまとめて一人で成立してしまうことの方が多いですが、今回は大勢の中の一人として成立出来るように意識しています。一人が突出しすぎてしまうと総合芸術としてまとまらず、演劇としては成り立たないので。

 




戦争を題材にした物語

森田:僕は埼玉でお仕事させてもらっていますが、出身は広島県なんです。なので祖母にも戦争について聞いたことがあります。僕達が想像もできない辛いことが戦時中にはあって、そういう時代を生き抜いてくれた人がいて、今がある。

その祖母も亡くなってしまいました。戦争を現代に伝えてくれる人がいなくなっていきます。なので、どんな形であれ伝えていくべきと思っています。

以前、公演を見たある小学生が「命を大切にしなきゃと思った」って言ってくれました。自分の伝えたいことが小学生にもちゃんと伝わってくれていたことに感激しましたし、この作品に可能性を感じました。

 

『永遠の一秒』埼玉公演を楽しみにしている方へ

野原:僕は行田市を中心として活動していますので、行田の人に観に来てもらいたいですし、今まで演劇に触れたことのない人の交流の場になるような公演になればいいなと思います。

森田:まずは劇場に来ていただいて観てもらいたいです。観てもらわないと始まらないので。

木原:戦争を題材にした物語ですが、戦争反対というものではなく命の尊さや人とのつながりを再認識してもらえる作品に仕上がっています。小学生に観てもらっても、平和や自分の家族のことについて何かしら考えてもらえるきっかけになる作品です。

劇場を出た後、悲しく辛い気持ちより、今と未来について前向きに考えられるような清々しい風が心の中に吹くのではないかと思っています。

 

今後の展望

木原:埼玉県内では文化振興事業として色んなことをやっていますが、アルコグランデは県庁内にコバトンカフェを運営していますし、県と一緒に埼玉県をPRしていきたいという思いがあります。

木原 : また、今回の舞台をきっかけに埼玉県内で役者を育てていって、埼玉演劇の登竜門的な作品としてやっていきたいと考えています。

 

4月3日(火)~5日(木)さいたま芸術劇場で上演

昨今、ホールや劇場の閉鎖に伴い会場を抑えるのが困難になってきたという話を聞きます。

その中でも、4月3日(火)~5日(木)の期間だけさいたま芸術劇場が空いていたとのことでした。

キャストの皆さんもこの期間だけしか出演できないという方も多く、作品との出会いもですが、この『永遠の一秒』という舞台は不思議なご縁と運命的な出来事が重なって、実現へと向かうことが出来たそうです。

オール埼玉キャストでどんなお芝居とパーフォーマンスが観られるのか、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

舞台『永遠の一秒』

脚本・演出:畠山貴憲(埼玉県出身)
プロデューサー:木原真弓
座長・主演:森田桂介
公演期間:2018年4月3日(火)~5日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場・小ホール(住所:さいたま市中央区上峰3-15-1)
料金:(自由席)前売り:4,300円 当日:4,500円 指定席:6,000円
【店頭販売・手売り】コバトンカフェとキャストイベント時の直接販売は4,000円(2/15~3/31まで)
お問い合わせ:株式会社アルコグランデ
TEL:048-711-1337
E-mail:eien@arco-g.com

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舞台『永遠の一秒』

  • さいたま市中央区上峰3-15-1
  • 営業時間 / 2018年4月3日(火)~5日(日)

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