京アニが埼玉県に残してくれたもの
ライター : シオ・コージ
筆者の地元からそう遠くない鷲宮神社が、アニメ『らき☆すた』に登場し、多くのファンが訪れて聖地のようになっているという話は、以前から耳にしていました。
あまりアニメに詳しくない筆者は、今回の不幸な出来事ではじめて、あの作品が京都アニメーションの製作によるものだと知りました。
久喜市鷲宮へ
あの日から数日たった7月のとある夕方、カーナビを頼りに道に迷いながら鷲宮をめざしました。
神社が近づくにつれてぽつぽつと雨が降り出し、境内脇の駐車場に車をとめるころには、車内から出られないほどの激しい雨足になっていました。
降りやむのを待とうと、とりあえず駅前のコンビニへ。
食事を買っているうちに夕立も上がり、線路の向こうに夕焼けが広がりました。
鷲宮は夏のお祭りが近いのか、街のあちこちで提灯の列や紅白の垂れ幕が見られました。
駅前広場には神輿が飾られ、お酒やお米が供えられていました。
鷲宮神社へ
ふたたび神社へ。
樹齢数百年はありそうな木々に覆われた参道を境内へ。頭上からは蝉の声が降りそそいできます。
人の姿はなく、静けさに包まれた境内。
中央のひときわ太い木に、ぎっしりと絵馬がかけられていました。
追悼の絵馬が
ここ数日のあいだにかけられたものらしい新しい絵馬には、事件で亡くなられたスタッフを悼む言葉、スタジオの復活を望む祈りの思いが、イラストとともに綴られていました。
埼玉に住む僕たちにとって京都は簡単に行ける場所ではありませんが、こんなに近くにらき☆すた神社という聖地があります。
京アニが埼玉に残してくれた聖地です。
日が落ち、参道にぽつりぽつりと灯がともり始めます。遠くで鴉が鳴いています。
はじめて訪れた鷲宮は、夕暮れどきの似合う静かな町でした。
埼玉県初詣参拝客数2位!らき☆すた聖地!関東最古!の鷲宮神社に行ってきた
サイタマの片隅に生えた雑草ライター。県東部の地域フリーペーパーを中心に執筆。得意ジャンルは本、映画、音楽などですが、書く場所がなくてもっぱら個人ブログで発表。春日部市在住。