『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督と埼玉県には深い関係があった
公式ライター : シオ・コージ
9月22日の日曜、東武アーバンパークライン岩槻駅東口のクレセントモールで「WATSU(ワッツ)青空音楽祭&夜空の映画祭」が開催された。
ふたつのイベントがコラボレーション
この催しは3年前の「さいたまトリエンナーレ2016」で好評だった「青空音楽祭」と、地元岩槻で毎年おこなわれている「岩槻映画祭」がコラボしたもの。
あの大ヒット作『カメラを止めるな!』でブレイクし、新作『スペシャル・アクターズ』も現在公開中の上田慎一郎監督の中短編作品『テイク8』と『たまえのスーパーはらわた』の2本も上映されるというので駆けつけた。
「雨に唄えば」でほんとうに雨が
音楽祭は正午からスタート。
さいたま市観光大使・村田綾さんの司会進行で、アコースティック系ミュージシャンやジャズバンドが屋外ステージで演奏。
会場には飲食ブースもずらりと並び、昼間からビール片手に音楽を楽しむ人たちも。日曜日らしいのどかな風景だ。
しかし夕方から雲行きがあやしくなり、ジャズのビッグバンドが「雨に唄えば」を演奏し始めたころからポツポツ降り始めた。
ステージの上はテントでおおわれているので楽器やミュージシャンは濡れないにせよ、演出にしてはちょっと出来すぎ……。
しだいに雨は激しくなるが、夕方5時をまわるころステージ後方の大型スクリーンで画像の投影テストが始まり、音楽祭終了後、テントが撤去されスクリーンがあらわになった。
小雨まじりだが、どうやら野外上映は予定通り決行されるようでまずはひと安心。
『翔んで埼玉』に続け、埼玉発映画!
上田慎一郎監督作品上映に先立ち、このたび一般上映が決定した埼玉発地域映画『漫画誕生』もPRされた。
この作品は大木萌監督、イッセー尾形、篠原ともえ主演で、日本の近代漫画の開祖ともいわれる北沢楽天の生涯を描く。
5月に大宮の東光寺本堂で初の一般試写会も行われ、監督や出演者も舞台挨拶した。その模様は以前お伝えしたとおり。
2019年05月22日
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「夜空の映画祭」では作品のプロデューサーが「ここ岩槻でも映画のロケが行わました。さくら茶屋や郷土資料館、城址公園の満開の桜もスクリーンに登場します」とPR。
9月末にMOVIXさいたまで一般公開され、さらに11月には本拠地埼玉から東京に乗り込んで渋谷ユーロスペースで拡大公開となる。
『翔んで埼玉』に続く埼玉発映画のブームをふたたび巻き起こしそうだ。
上田慎一郎監督と埼玉のつながり
激しさを増す雨のなか、上田監督作品『テイク8』が上映開始、観客のみなさんはビルのひさしの下に移動して立ったまま鑑賞を続ける。
いまや自主制作映画の希望の灯となった上田監督だが、『カメラを止めるな!』ブレイク以前から地道に作品を撮り続けていた。
『テイク8』は、2015年に製作された、ほぼワンシーンで進行するショートフィルム。
前述した岩槻映画祭で第3回のグランプリに輝いている。
さらに『カメ止め』のあとにつくられた『たまえのスーパーはらわた』は、さいたま市や市の商工会議所、観光国際協会が製作協力した地域発信型映画。
大宮の盆栽、浦和のうなぎ、岩槻の人形など埼玉名物にスポットをあて、今回のイベントでMCをつとめる村田綾さんも出演している。
映画祭当日は残念ながら雨で上映中止となってしまったが、DVD『上田慎一郎初期作品集』のパート2にも収録されているので、こちらで見ることができる。
大ヒット作『カメラを止めるな!』も、埼玉県川口市にあるSKIPシティの映像ミュージアムや彩の国ビジュアルプラザが撮影に使われ、さらに上田監督が脚本を書き『カメ止め』スタッフらと共同監督した『イソップの思うツボ」も、埼玉県やSKIPシティ、彩の国ビジュアルプラザが製作を全面支援している。
このように、上田監督と埼玉県のあいだには『カメ止め』でブレイクする以前から現在まで、深い関係が続いている。
筆者も埼玉県人のはしくれとして、上田監督の活躍に拍手を贈りたい。
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サイタマの片隅に生えた雑草ライター。県東部の地域フリーペーパーを中心に執筆。得意ジャンルは本、映画、音楽などですが、書く場所がなくてもっぱら個人ブログで発表。春日部市在住。