2018年06月27日

鴻巣が六本木に?進むもう一つの鴻巣駅東口再開発に迫る

鴻巣が六本木に?進むもう一つの鴻巣駅東口再開発に迫る

編集長 : 鷺谷政明

鴻巣といえば、ポピー、免許センター、ひな祭り、花火などが有名ですが、もう一つ注目されているのが、事業認定から10年以上の歳月をかけて進められてきた、鴻巣駅東口の再開発

エルミこうのす、アネックスなどのA地区はすでに終了しており、残すところあと「駅通り地区」のみとなりました。

出典 : marimo

ここでは現在、14階建てマンション「ポレスター鴻巣駅前ガーデンズ(共同住宅195戸、うち分譲戸数153戸)」が建設中で、隣には公園、店舗(建物の1階部分)が並ぶプロムナードなども整備されていきます。

この竣工が2019年5月頃とされており、これをもって、鴻巣再開発が完成を迎えます。

4月から開始したそうだ埼玉TV鴻巣の夜を外国人と徘徊する」では、そんな鴻巣の夜の住人たちから、生の声をたくさん聞いてきました。

この再開発に関することから、今鴻巣が抱えている問題点など…

その中で、「鴻巣でもう一つの再開発がおこなわれている」という話を聞きつけ、鴻巣に取材に行ってきました。


鴻巣市民活動センターへ

そうだ埼玉TVでは、毎週かなり泥酔しているところばかりをお見せしておりますが、今回は昼に、シラフで鴻巣へ行ってきました。

もう一つの再開発のキーマンがいるという、鴻巣の市民活動センターへ向かいます。

ここは、駅直結のエルミこうのすアネックス内にある、こうのすシネマ

個人的に、ここもう少しいい作品入れてほしい。

で、この左隣りにある、

ここ。

キーマンは、この市民活動センターを運営している人物なのだとか。

中に入るとコウノトリがお出迎え。

「鴻巣」の由来は、コウノトリ伝説からだからね。

※参考 : 女性たちが集まる鴻巣の人気パワースポット「鴻神社」

奥に進むと…

広っ。

埼玉あるある。駅前一等地のめっちゃ広いスペースを有効活用できてない説。

会議室もある。

 

「街活性室」とは

というわけで、この鴻巣市民活動センターを指定管理運営している会社「街活性室株式会社」代表の、斉藤徹さんにお話を伺います。

ーーー街活性室とは、どんなお仕事をされている会社なんですか?

「この市民活動センターと、他に2つのコミュニティセンターの指定管理運営をしてます」

ーーーなるほど。

「あと、日本文化を広めたいというところから始まった、東本願寺がおこなっているジャポニスム振興会の、東京事務局と埼玉事務局の業務受託を請けています」

ーーー指定管理運営とはまた違った業務ですね。具体的にはどんなことを?

「例えば神社で着物ファッションショーのイベントをやったり。基本的には鴻巣を中心にやっていますが、先日は春日部で円空仏展の開催支援というのもやりましたね」

ーーー日本文化による、地域の活性化のような感じもありますね。

「まさにそんな感じですね」

 

鴻巣の再開発とは

ーーー鴻巣の再開発って、つまりはなんなんですか?

鴻巣の再開発計画は三つあって、一つはエルミショッピングセンター、で、この映画館(アネックス)、最後があのマンションのところと」

ーーーこういう再開発って、どういう経緯で始まるんですか?

「駅前をもっと整備して人が集まるようにしようと、市が主体となってやるんですけど、結果として中山道がダメになっちゃって、果たしてなんのための再開発だったのか、という意見もあります」

ーーー中山道がダメになっちゃった、って?

「ショッピングセンターができちゃうと、町中にある商店街とかに人が行かなくなっちゃうんです。駅前に人は集まったけど、中山道商店街はシャッターになっちゃったね、っていう」

ーーーそれはどの地域も課題ですよね。

「全国的にそうだと思います。現代において、個人商店などの小売りで成り立つのは、重飲食と、お菓子を含めた製造小売、あと手作り小物の、この3つしかないと思っています」

 




新たな再開発

商店の再生事業

ーーーそんな中、新たな再開発をされていると聞いたんですが。

「商店の中で、利益は出てるけど、跡継ぎがいない、っていうお店が結構あって。そこに事業承継という形で、もう引退されている昔一部上場企業とかにいた、経営を経験してきている年配のかたと、学生のインターンを組み合わせて、商店街の店舗の再生をしようと、今計画しているんです。商店の再生事業ですね」

ーーー高齢者の雇用を生み出す動きって「アクティブシニア」とか埼玉県もやってますよね。

「そうなんです。で、そういった番頭派遣システムなようなものにして、うまくいけばM&Aをするのか、もしくは若手とおじいちゃんたちがそのままそこを引き継ぐのか、みたいな」

街活性をマニュアル化

ーーー今そういうのやってるところってあるんですか?

「行政がやろうとはしてますけど、あんまりうまくいってないみたいですね」

ーーーそれはなぜ…?

「商店の人たちが、もう諦めちゃってるっていうのが、要因としてあるようです。M&Aしたいっていう、買い手はあるんだけど、売り手がいないと」

ーーーそれを街活性で担っていきたいと?

「事業承継の商業の活性化と、コミュニティーの活性化、この成功事例を鴻巣で作って、埼玉県内に波及させていきたいと思っています」

ーーーなるほど。

「言うなれば、街の活性化事業をマニュアル化して、地元の街づくりをやりたいという人と共同事業体を組んで、このノウハウを一緒にやっていきたいなっていう」

鴻巣が六本木に?

ーーーすでにもう始めてることってあるんですか?

「今は、コミュニティー活性化に軸足を置いてて。まずここを、市民活動とソーシャルビジネス創出の場にしたい。わかりやすく言えば、コワーキングスペース」

ーーーここ(市民活動センター)を変えていくと。

「イメージとしては六本木ヒルズのコワーキングスペースのような。相当お金かかりそうなので、同じようには無理ですけど(笑)理想としては」

出典 : 六本木ヒルズコワーキングスペースPARK6

ーーーこんなのが鴻巣にできたらおもしろいですね。

「もっと身近な感じでいうと、大宮のコワーキングスペース『7F』のような。ああいう環境が、無料で使える場所にしたい」

大宮コワーキングスペース「7F」

「そこから事業承継のほうへ、コーディネートしていけたらと思っているんです」

ーーー鴻巣って、コワーキングスペースないんでしたっけ?

「ここらへんだと、大宮、上尾、くらいしかないですね。あと、ここで商工会がやってる創業塾もやりたいんですね。ベルーナの社長とか、そういったかたにも来てもらって」

ーーーこの場からいろんなことが生まれそうですね。

「ハードの再開発はすでにやってるけど、僕らはソフトの再開発をやっていきたいという感じですね。来年の3月にはオープンしたいと思っています」

 

地域活性の課題

ビジネスとボランティア

「あと、『みんなの田舎』っていうのをやっています。市民農園兼コミュニティ施設。民間のかたでやりたいという人がいて、うちは運営事務局とコンサルをやってます」

ーーー具体的にはどんなことを?

「じゃがいもとか、さつまいも掘りをやったり、シニア向けに、悩み相談とか、カラオケ大会やったり」

ーーー世代間交流もできそうですね。農業やってみたいけど、よく分からないし、という若い子とかと。

「ただ、こういうのやる人って、なかなか若い人たちとの折り合いがつかないというか。たいてい、自分の私財切り崩して自費でやっているから、ビジネスというより、ボランティア感覚なので」

ーーーでも本当は、そういうこともビジネス観持ってやったほうが、いろんな人達を迎合する寛容性が出るかもしれないですよね。

「まさに仰る通りで、地域活性とか、街づくりをやろうとする人は、ビジネスよりも自己満足になっちゃうことが多いんですよね」

ーーー確かに多いですね。

「でも、こういうことをしようと考える人たちの意識が大切なので、我々が入ることでいい方向に向かっていきたいなと」

保守的な埼玉県民

ーーー埼玉県が、鴻巣を起点に変わっていくかもしれないですね。

「だからこの場も、市外の人にもたくさん来てもらって、鴻巣のダメなところを言ってもらうような、そういう環境づくりをしたいんですよ。鷺谷さんも(そうだ埼玉TVで)鴻巣回られてるからわかると思うんですけど、保守的なかたもすごく多いので」

ーーーそうですね(笑)鴻巣に限らずですけど。

「なので、鷺谷さんのような核弾頭に来てもらって『お前ら全員ダメだ』とか言ってほしいです(笑)」

 

本当の再開発とは

自分自身、「鴻巣の夜」シリーズで実際に街を徘徊していて感じることはたくさんありました。

そんな鴻巣をずっと見てきた斉藤さんの言葉は、どれもすっと入ってきました。

再開発は建物だけではない。

その中の人たちの再開発があってはじめて、街が変わっていくのかもしれません。

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鷺谷政明

埼玉ポーズ仕掛け人、そうだ埼玉.com編集長、天下茶夜代表。クリエイティブ・ディレクター。そうだ埼玉TV出演中。



関連リンク


街活性株式会社

https://machikatsu.co.jp/

  • 埼玉県鴻巣市逆川1丁目2番2
  • 048-578-8222

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