2015年03月16日

上野東京ライン開業後の尾久駅の違和感

上野東京ライン開業後の尾久駅の違和感

ライター : mariko


尾久駅 いらない

誰もが誰かに必要とされ生まれてくる。それはきっと、物でも同じ。

どんなものでも何かに必要とされ誕生するはずなのに、「必要あるのか」「何のためにあるのか」とよく言われる上野駅の一つ手前の駅、尾久駅

東京23区内でもっとも寂しい駅と言われることもしばしばで、「尾久駅」で検索すると関連ワードに「尾久駅 いらない」とまで出る始末。

尾久駅は、ドアが開くといつもホームが静まり返っていて、あまりの静寂さにつられ車内も静かになってしまうほど。

上野という賑やかなゴールに着く一つ前の駅なのに、なぜか田舎に旅行に来た気持ちにさせる雰囲気があり、特に秋の15時頃の尾久駅には、何の目的もないけどフラッと降りてみようかなと思わせるノスタルジックさがあります。

埼玉県民にとっての尾久駅

子供の頃、尾久駅のホームに一瞬降りてすぐまた電車に乗り込み「セーフ」なんてやった人も多いのでは。東京都にありながら、それくらい閑散とした駅でした。

埼玉県民にとって尾久駅というのは、「これから騒がしい都会がお前を待っているが、決して浮足立たず地に足つけて行くんだぞ」と、背中をポンと叩き姿勢を正してくれる親戚のお兄さんのような、終点上野の前の砦的存在でした。




上野東京ライン開業後の尾久駅

2015年3月14日、上野東京ラインが開業しました。

高崎線や宇都宮線に「熱海行き」が掲示されるという何とも新鮮な光景に、実際はそう行く機会もないのにちょっと嬉しくなった埼玉県民も多いはず。

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しかし上野東京ラインに乗った時の尾久駅の違和感は、どこか悲しみにも似た感情がありました。

終点上野駅の一つ前の尾久駅に停車した時に湧き出てくる、いつものあの感情と現実が一致しない。

今や尾久駅は、「ああ、次でもう終点だ」のお兄さんではないから。

東京や品川目的で見れば、尾久駅なんてただの消化試合でしかしない。さっさと停まってさっさと出ろという、まるで悪い男のよう。

これまで「気をつけてなっ!」といつも笑顔で背中を叩き送り出してくれていたお兄さんが、ただの通行人になってしまったような寂しさ。

尾久兄さんを忘れない

ああ尾久駅。その「奥」は、時代と共に随分変わってしまいましたが、東京に出る前には必ず尾久を思い出し、浮足立たないよう生きていきます。

でもたまにはあえて上野行きに乗って、また尾久兄さんに会いにいってしまいそう。

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mariko

カフェと本が好きな20代webライター女子。さいたま市在住。



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尾久駅

  • 〒114-0011 東京都北区昭和町1丁目2−16

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