【元祖ガールズバー】男は黙っていづみやへ
編集長 : 鷺谷政明
変わらない大宮の名店いづみや
埼玉県、大宮駅東口を降りてすぐ、他店の追随を許さない圧倒的な一等地にあるいづみやは、昭和22年戦後まもなく創業した大宮の大衆酒場です。
BS-TBSの人気番組「吉田類の酒場放浪記」や、なぎら健壱さんがグルメ雑誌「食楽」で連載していたものをまとめた本「絶滅食堂で逢いましょう その弐」にも収録されています。
大宮駅東口、南銀座通り(通称 南銀)の入り口にあるいづみや。
近隣店舗や回りの看板が変わっても、いづみやだけは70年近くあり続けます。
たいてい、食べログの口コミは10件~20件で、30件もあればかなり多い方ですが、いづみやの口コミ件数はなんと約200件。
他にも、数ある大宮の居酒屋紹介サイトやまとめサイトなどでも、いづみやは頻繁に紹介され、大宮居酒屋のメディア登場率No.1とも言われています。
「三丁目の夕日」さながらの昭和な店内
外から見ると「本店」と「第ニ支店」と2店舗が連なっていますが、店内は繋がっています。
「じゃあ何で看板が分かれてるんだよ!」とかそういう無粋な突っ込みはしてはいけません。
店員はみんな女性で、三角巾とかっぽう着のおば……おねえさん方が、お客さんと軽快なトークを交わしながらせわしなく動き回っています。
客層は40代~60代の男性が多いですが、20代~30代の仕事帰りの若いサラリーマンや、最近は食べログなどの影響で、20代女性も来店することが増えてきているそうです。
粋な店員、粋な客
作り間違えてしまったメニューを持った店員のおねえさんが「これちょっと食べない?」と店内を回れば「しょうがねえなお母さん」と客。
忙しい時はたまにメニューをスルーされることもあるそうですが、そんな時でも「まったくしょうがねえな」と常連さん達は笑ってやり過ごします。
いづみや名代もつ煮込み(170円)赤星ラガーがよく似合う
映画「三丁目の夕日」の撮影をそのままやれるのではないかという昭和テイストな店内は、メニューも、店員も、お客さんもとにかく粋。
コミュニケーション不足と言われる現代ですが、ここはお一人様同士もすぐ仲間になってしまうし、店員さんもお客さんに初対面だと感じさせない接客術があります。
看板に食堂という文字がある通り、定食メニューもたくさんあります。
ただし机にメニュー表なんか当然置いてないので壁に書かれたメニューとにらめっこをして注文します。
ハムカツなども人気ですが、中濃ソースなんかもありません。カキフライも美味しいですが、タルタルソースとかそういうシャレたものは一切ありません。
四の五の言わずに全部ウスターソースで黙って頂くのがいづみやスタイルです。
お一人さまでも気軽にフラッと
店内では、スポーツ新聞を読みながら一杯やっているお客さんや、テレビがあるのでニュースを見ながら呑んでるお一人さまもたくさんいます。
でもこのテレビはそろそろ見れなくなりそう……
フラッと一人で立ち寄りやすいお店ですが、いづみやファンは多く、店内は何席か予約席もありました。
22時閉店
駅前一等地にありながらお店は22時で閉店。
おねえさまたちが眠くなっちゃうからでしょうか。。
ダラダラしてると「もう閉店だから早く食べちゃいな!」と母親のような目で叱られます。
2名で2時間飲み、食べてもこの金額。
埼玉で働く人たちを支え続けてきた、いづみやおねえさんの埼玉ポーズ。
撮影後、女優なみに厳しいチェックが入り、「これちょっとダメ。もう一回」「うーん、今度はちょっと角度が」と何度かダメ出しをいただきました。
朝10時から呑んべえが集まる大衆酒場「いづみや」の暖簾をくぐらずに大宮は語れません。
まだ行かれたことがない方は是非一杯どうぞ。その際は、「埼玉ポーズ見たよ!かわいかったよ!」とおねえさんに声をかけてみてください。
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埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中