今回の成人式で一番見事な対応だったのは越谷市だ
2021年1月8日配信そうだ埼玉メルマガより
発行人 : 鷺谷政明
2回目の緊急事態宣言が発令される少し前から、ここ埼玉県でも成人式が軒並み中止となっています。
人口が多い市の対応だけ先に紹介すると
・さいたま市 オンラインへ変更
・川口市 オンラインへ変更
・川越市 延期
・所沢市 3月20日へ延期
・越谷市 中止
成人式発祥の地、蕨市は秋に延期とのこと。
横浜市が中止から一転、開催へ
他県を見ると、横浜市は中止から一転、1月6日、開催を発表しました。
会場を２つに分け、計８回式典を行うことで、それぞれ会場の収容人数を５０％以下に抑えて開催することにしたそうです。
横浜市は昨年の段階でオンライン形式で行うと発表していましたが、反対意見が多く寄せられたため、開催を決定。
自分の街は大丈夫か
今回の件で一番重要なことは、昨年の段階でアナウンスをしていたかどうか、という、この一点に尽きます。
一番辛いのが、ギリギリで中止を発表されること。出席者も業者も関係者も。
「状況的に致し方ない」と思うかもしれませんが、何十年間も毎年同じ時期に人を集めるイベントを開催してきている自治体が、このコロナ禍でなにもアナウンスしていないというのは結構まずい。「僕らは無能な街です！」と宣言しているようなもの。常時無能宣言。
「コロナの状況によっては中止の可能性もあります」
という一文が公式に出ているかいないかだけでも、出席者にとっては相当大きいものです。
自分の地元はどうだったか、ぜひご自身で、自治体の公式サイトを調べてみてください。
開催か中止か
成人式を開催するべきか否か、首長としてどちらの判断が正しいかという正解はありません。
地域によって規模も状況も違うからです。
ただ、メディアを見てて笑えるのは、成人式の相次ぐ中止に「また若者だけが犠牲に」と煽っていたかと思えば、横浜市の開催に対し「反発の声殺到」とすぐに舵を切るあたりが、さすが。
成人式の極論は「晴れ着を着て、みんなと会って、写真を撮りたい」これに尽きます。
そう考えれば、延期は得策ではない。
もちろん「京都きもの友禅」みたいに、振袖を進呈してくれる業者も出始めていますが、
「また来年ね」なんてないから…。成人式中止で、振袖販売店の粋な対応に「こんなの、一生忘れない」
全国の業者が同じような対応はできないだろうし、たいていはみんな普通にキャンセルして場合によっては個人も業者もマイナスで終わるのが関の山。
つまり、延期ではなく、その日に規模を縮小して開催するのが一番得策なんです。
熊谷市は、くまがやドームで10日に予定していた成人式の式典を中止すると5日に発表しましたが、その代わり、会場の外に記念写真の撮影場所を提供します。
熊谷市、成人式の式典中止 代わりに、卒業した中学校ごとに記念写真の撮影場所を用意
撮影時間を三つに区切り、卒業した中学校ごとに分散し、新成人が各自で撮影してもらい、記念品も配布する。
人口が少ない地域は規模縮小・分散などで実施、人口が多い地域はいったん中止とし、当日は熊谷市のように再会＆写真撮影スペースを提供、というのがベストだと思います。
加須、川口、春日部、戸田も熊谷市のような対応になる見込みです。
自治体が動かないといけない
「会って写真撮影くらいその辺でやれよ」
と思うかもしれませんが今は昔と違ってわずかな余白も許されない時代ですから、まず駐車スペースがないんですね。
その辺に停めちゃえ、ちょっとなら大丈夫でしょ、ということが許されない。
だから「再会＆写真撮影スペース」を、自治体が動いて確保してあげないといけないんです。
「ここ使っていいですよー」とオフィシャルに言われるだけですごく助かるんです。
なるほど、熊谷市は素晴らしいなと思うかもしれませんが今回一番素晴らしかったのは越谷市です。
越谷市をなめるな
冒頭で私が紹介した文章、覚えていますか。
もう一度ここに書きますよ。
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人口が多い市の対応だけ先に紹介すると
・さいたま市 オンラインへ変更
・川口市 オンラインへ変更
・川越市 延期
・所沢市 3月20日へ延期
・越谷市 中止
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これ。
覚えてますね。
あなたもきっとなんらかのwebメディアの記事で、「延期、中止、内容変更」といったところをさっと見て終わりだと思います。
越谷市は中止とありますね。
実際に越谷市は中止です。
決して間違いではありません。
しかし、越谷市をなめちゃいけない。
なんと越谷市は、昨年の11月10日にすでに中止を発表していました。
ここでもう一度、冒頭で私が言ったことを思い出してください。
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今回の件で一番重要なことは、昨年の段階でアナウンスをしていたかどうかというこの一点に尽きます。一番辛いのが、ギリギリで中止を発表されることです。出席者も業者も関係者も。
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どこよりも早い判断で越谷市は動いていた。
全国的に見てもこの判断は一番早かったんじゃないかと思う。
議会などで話し合いがおこなわれていた議事録などは各自治体でも出てきますが、たいてい「まあ、とりあえず12月とかもう少し時期が近づいたらその時の状況を鑑みて決めましょう」といったところ。
それが越谷市は11月に「中止します」と踏み切った。
そして越谷市の英断はこれにとどまりません。
答えに辿り着いていた越谷市
越谷市は、同ページにこう記載しています。
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成人式は新成人の皆様にとって一生に一度の節目でありご家族にとっても成長を祝う大切な行事です。新成人やご家族の皆様にとってよき思い出の日、門出の日となるよう、記念品の贈呈と記念写真撮影場所を提供いたします。1月10日（日曜）は、会場に記念写真撮影ブースを設置するほか、市内施設の無料開放を予定しています
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そう、先に紹介した熊谷スタイルを、越谷市は昨年11月10日の時点ですでに決めてアナウンスしていました。
つまり、どこよりも先にコロナの状況と新成人のことを考え、限りになく正解に近い回答を導き出して動いていた自治体が埼玉にあったんです。
メディアの報道だけ読んでいたら「越谷市 中止」の認識だけで終わっていたと思います。
もう一度言います。
越谷市をなめるなよ。
今回一番見事な対応を取ったのは越谷市だと声を大にして言いたいし、他の地域も学ぶべき速度感と決断力であったと私は思います。
写真くらい撮らせてやれよ
それから、これもメディアの報道、というより、なるべく短文で表現しきらないといけないネットメディアの功罪かもしれませんが、「オンラインに変更」と言われると、なんだか今っぽくて聞こえはいいかもしれませんが、これって要は、首長がYouTubeで動画をアップするだけです。
「君たちはある意味で特別で、強くたくましくあるはずだとか、感染をこれ以上広めるわけにはいかない、今こそ離れたところから一つになろう」
とかそういう話を今日あたりに収録して、その動画を秘書課とか広報課あたりが急いで編集して、明日を確認・修正作業に使って日曜日に市のYouTubeからアップすることを
「今年の成人式はオンラインに変更します」
という表現で済まされているところに我々も疑問符を打たなければいけないんです。流されすぎ。
「当日は式典を中止し、市長が祝言をYouTubeにアップします」
だとまずいから
「当日はオンラインに変更します」
と表現している。
先も述べたように、成人式やるやらないは規模や環境に応じてそれぞれ対応が違って然るべきだと思いますが、
「晴れ着を着て、みんなと会って、写真を撮りたい」
という若者の願いくらい大人が知恵を絞って実現させてやる町であれよと思う。
成人式は「一部」の女性のためのもの
ちなみに私は、成人式なんてやらなくていいと思っている派です。
暴れて騒いでナンパするだけなんだから、そんなもののために税金使う必要ないし、参加した人だけが金を払って参加する会費制でいい。
実際私自身も、20歳のとき出席していません。
「昨年、中止を発表した横浜市に反対意見が多く寄せられたことで、一転して開催になった」
という報道がありましたが、3万7000人いるといわれる横浜市の新成人の大多数がそう思っているかどうかはわかりません。
反対意見を寄せたのは、一部かもしれない。
今、自分の地域の成人式の中止を発表されて悲しんでいるのも、一部の人かもしれません。
実際どれくらいの人が楽しみにしていたかは、誰にもわかりません。
今の成人式は、女性のためのものだと個人的には思っています。
物心ついた頃から、毎年この時期近所でも親戚でも芸能人でも20歳になる女の人が綺麗な晴れ着姿で楽しそうにしているのを毎年毎年中学高校とずーっと見せられてきて、ああ、自分もとうとう着る側になるんだ20歳の女性になるんだ、そうかあ、誰と行こうか、
あの子とは会いたくないなでもどんな着物にしようか、そう考えるとそろそろダイエットを、髪型も今髪切っちゃうとあれだなと、ずーっと考えてきて、開催の5日前とかに変なオヤジが出てきて「あ、中止で。コロナだし。緊急事態宣言だし。当然でしょ？高齢者とかみんな大変なんだよ？居酒屋とかも行かないでね。誰とも会わないように。家いて。はいよろぴこ」。
そんな状況を「辛すぎる！」と感じるのは、一部の人だけなのかもしれません。
ただ、「除夜の鐘がうるさい！」とクレームを入れてくる一部の声を大々的に報じ取り入れちゃうわりには、今回のような一部の声は無視するのか、という気もする。
横浜市の英断
今回、新成人を迎える横浜市民は、市に大きな感謝を抱くと思います。
あの市長は、世間から叩かれるのを覚悟で私達の思いを実現してくれたんだという思いは一生残ると思う。
こうしてる今も市長はボロクソに叩かれているし、ネットのみならず近くからもやられているはずです。
中止と発表したのに覆すなんて市長失格だ
この経費をどうする
業者にはなんて説明するんだ
美容室キャンセルしちゃったよ
コロナ感染したらどう責任とる？
横浜市の市長って女性なんですよね。林文子市長。
もともと成人式には肯定的な方で、どうにか開催できないかとずっとその可能性を模索していたようなんですね。
そもそもこのメルマガでは何万回も言っていますが、昨年あれだけ叩かれたさいたまスーパーアリーナのK-1イベントを思い出してほしい。
あのときメディアも世論も徹底的に叩きましたよね。
で、なにもなければそのままスルー。
なので今回も、例え横浜市が無事に式典を終えてもその頃は別の話題になっているはずです。
え？横浜市なにも問題なかったの？
じゃあ他の市も中止にすることなかったんじゃね？
必ずしもイベントが全て悪いとは限らないんじゃない？
人が集まることを全てやめさせることはないんじゃない？
という議論は決して起きない。
興行場法に基づく換気基準の話はどーなった。
メディアに出すなら、この2つ。
「せっかく開催したのに…横浜市の新成人 式典で暴れ泥酔状態で逮捕」
「だから言ったのに…横浜市成人式でクラスター発覚」
このいずれかを記者は必ず狙いに行くし、これが起きなければなにも報道しないと思う。つまり、
「横浜市の判断は正しかった」
という報道をする前提はなく、あるのは、
「あの判断は失敗だった」
という叩く準備だけ。
成人式は中止にしといた方がいい
そう、首長にすれば今回の成人式、中止にするのが一番いいんです。
「一部」の若者と「一部」の業者に嫌われるだけで済むんだから。
ずる賢さも首長に必要な素養なら、横浜市長の判断は悪手といえます。ゼロかマイナスかしかないんだから。
でも、最後の最後でその町に対するイメージを決定づけるのはこういうところだったりします。
目先のことだけを考えれば、ここは中止にした方が無難かもしれませんが、もっと先の未来まで考えれば、どんな形でも開催した方がいい。
例え「一部」の若者であっても、自分たちの声を聞き入れてくれたという実感と感謝は、絶対に忘れないはずです。
「回りがみんな中止にしてるからうちも中止にしておこう」
というのは自治体じゃなく他治体だ。
他の地域の例に合わせてるだけ。
この間そうだ埼玉TVで、横浜市に行って10個ディスるというのをやりましたが、
カッコいい街にカッコいいことされるほど腹立つことはないですね。
また行ってディスってこようと思います。
明日、1月10日、「コロナで中止になったから一人でオンライン成人式LIVE」【真剣20歳 しゃべ千葉#1】がそうだ埼玉TVで生配信されます。
今年成人式を迎える予定だった、20歳千葉県民、そうだ埼玉TV作家、大橋柊による、4時間生放送SPです。
今のうちにチャンネル登録を。
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