「エンタメを通じて障がい者への偏見と差別を減らしたい」岡江久美子さん遺作にして川口市舞台の映画
ライター : 南原卓也
SPUメンバーの南原卓也です。
突然ですが、川口を舞台にした映画といえば何を思い浮かべますか?
『キューポラのある街(1962年)』?『母べえ(2008年)』?
どちらも吉永小百合さんを主演に迎えた名作で、川口を舞台にした映画の代表作といっていいでしょう。
MOVIX川口へ急げ!
時は2023年1月。
川口を舞台にした新しい『映画車線変更 -キューポラを見上げて-』が、今まさに上映中だということをご存じですか?
「え? 埼玉に住んでいるけど、私の地元では上映していないよ?」
あなたがそう思うのも無理はありません。
だって、『車線変更 -キューポラを見上げて-』は、「川口アリオ」の中にあるMOVIX川口でしか上映されていないのだから。
そこで、同じ埼玉に住むあなた、現在、壁に直面しているあなたに知ってもらいたい映画、「車線変更 -キューポラを見上げて-」を紹介します!
映画のあらすじ
『車線変更 -キューポラを見上げて-』プロデューサーの国枝秀美さん(以下、国枝さん)は、以前訪れたアメリカで、障がい者が当たり前のように映画やテレビ、舞台などで活躍していることを知りました。
それから十数年が経ち、「エンタメを通じて、障がい者への偏見と差別を減らしたい」という願いを込めた映画を、40年以上暮らす川口を舞台に製作することを決めたのです。
「車線変更 -キューポラを見上げて-」の主人公は、川口の鋳物工場の息子で、オートレーサーとして活躍していました。
しかし、賞金王獲得を目前にした練習中の接触事故により、大きな障害を負ってしまいます。
絶望する中で、様々な障害を抱える人々と出会い、壁を乗り越え新たな目標に挑む姿を描く作品。
まさに人生の車線変更が描かれています。
映画本編にも似た制作経緯
2017年12月に制作が決定し、川口市内で記者発表が行われました。
撮影には、多くの川口市民がエキストラとして参加しました。
そんな中、世界を襲った新型コロナウイルスの猛威により作業は中断。
メインキャストである岡江久美子さん、隆大介さんの急逝など、映画の完成を前に予期しない出来事が続きます。
映画の完成すら危ぶまれる中、立ち上がったのは地元・川口の方々でした。
有志の方々による「編集前の映像上映会」や「写真展」開催。
「一緒に完成させよう!」と励ましてくれる支援者らとともに、2022年【映画「車線変更」上映市民の会】を発足しました。
挑戦したクラウドファンディングでは、目標金額500,000円に対して、集まった支援は133名、1,515,000円!
その後、川口市内での追加撮影や編集作業を行い、無事、映画は完成。
試写会は2022年11月26日に「SKIPシティ映像ホール」にて行われました。
「車線変更 -キューポラを見上げて-」には、国枝さんのメッセージとともに、現在の川口の姿が映像で記録されています。
「壁は、誰にでも、どこにでもある」
これは國枝さんがクラウドファンディングのページ内で語った言葉ですが、まさにその通り!
人生の車線変更も、大なり小なり誰しもが経験することです。
奇しくも、私も会社員から個人事業主へと車線変更したばかり。目の前に立ちはだかる壁を乗り越え進む毎日です。
私もやはり、「車線変更 -キューポラを見上げて-」を観ておかねばならない。川口駅前での打ち合わせを終え、「川口CuPoLa」を見上げながら、そう強く思うのでした。
予告編はこちらから
https://www.kyu-pora.com/trailer
※「車線変更 -キューポラを見上げて-」の上映は2023年2月2日(木)までを予定しています。
埼玉ポーズ連合(SPU)メンバー。日本一面積が小さく、日本一人口密度が高い蕨市を”美味いビール密度も日本一”の街にしようと企む男。