埼玉にも必要?東京都がカスハラ防止条例制定を目指す
編集長 : 鷺谷政明
お隣東京都では小池百合子氏が都知事選を制し、3期目に入ります。
「公約実現できていないじゃないか」
といった指摘もあり、「確かにそうだな」と思うこともあれば、「これは良かったな」と思うこともあり。
その一つに、カスハラ防止条例というのがあります。
増え続ける迷惑行為
東京都は今年2月、全国初となる「カスハラ防止条例」の制定に向けて動き出しました。
2021年都内のクリニックで、診察費用に不満を持ち全額返金を求めた男の居座りにより、診察業務が4時間半にわたり妨げられたことがありました。
カスハラとは、カスタマーハラスメントの略で、この条例を簡単に言ってしまうと、
「客だからってなにしてもいいわけじゃないからな」
という東京都の姿勢です。
客には絶対に勝てないという構図
今はなにかあればスマホで撮影され、すぐネットに拡散されます。
そのため、サービス提供側は、客への対応が慎重になってきています。
それはいい面もありましたが、利用者側のマナーを向上させる仕組みがないため、言ったもの勝ちのクレーマー社会が加速する一面もはらんでいます。
日本労働組合総連合会がおこなった、カスハラ被害を受けたことがある1,000人へのアンケートによれば、直近5年間の発生件数の変化について「減少した」と回答したのが77人だったのに対し、369人が「増加したと思う」と回答しました。
「増加した」と回答した方の理由の一つには、「SNSなどの匿名性の高い情報発信ツールの普及」が挙げられています。
カスハラ問題に詳しい関西大学の池内裕美教授は、
「SNSの中では誹謗中傷を行うことが定着し、クレーム文化のようなものができてしまって後戻りできなくなっている」
とNHKの取材に対してお話されていました。
店員が客を撮影してネットに上げることは、ほぼできません。
ネットメディアの問題点もそこで、例え匿名であっても声を上げること自体はいいと思いますが、言葉を選ばず一方的に貶めるような扇動行為を取り締まる仕組みがない。
増え続けるネット断罪者たちを断罪する仕組みがないと、結局言ったもの勝ちになってしまう。
埼玉県でも必要か
出典 : 三重テレビNEWS
カスハラ防止条例は、三重県も動き出しています。
つまりこの問題は、東京都に限らず他県でも起きていることが伺えます。
埼玉県民はこの30年「ダサい」と揶揄されてきたからか、東京と埼玉によって使い分ける感情の二刀流みたいなところがあります。
そのため、東京ではおとなしい割に、埼玉では急にいきがる埼玉弁慶みたいな人もいます。
ただそれは都民かもしれないし、他県民かもしれないし、やはり埼玉県民なのかもしれない。
そこまでは分かりませんが、実際私の回りでも、埼玉県で接客業をしている人のカスハラ被害の声は聞きます。
埼玉でもカスハラ条例は進めていくべきだと私は思うのですが、あなたはどう思うでしょうか。
※本記事は、2024年3月1日に配信の「そうだ埼玉メルマガ -埼玉でも起こる?東京都がカスハラ防止条例制定を目指す-」を一部加筆修正したものです
埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中