女子高生考案の痴漢抑止バッジ3月製品化に向けデザイン決定
痴漢抑止バッジとは
2015年4月、高校2年生の女子たか子さん(仮名) が、母親と一緒に考案した痴漢被害抑止バッジ。
たか子さんは、高校に入学してから、通学電車で毎日のように痴漢被害にあっていたそうです。
痴漢されているときに声を出すのは、怖いし恥ずかしい。
周囲の人は、見て見ぬふり。
勇気を出して「やめてください」と言っても、犯人に逆ギレされてしまう。
また、犯人を間違えて、冤罪被害者を出したら迷惑をかけてしまう。
そこでたか子さんは、車内の立ち位置を工夫したり、さまざまな防犯グッズを試すものの、被害は止まらず、駅や鉄道警察、警察署など、たか子さんとご両親は、いろいろなところに相談に行くものの有効的な解決策は示してもらえなかったそうです。
そこでたか子さんは、
「私は泣き寝入りしません。痴漢は犯罪です!」と書いたカードを作り、
これを身につけてから、痴漢被害がピタッと止んだそうです。
カードからバッジへ そしてクラウドファンディング
この痴漢抑止カードをつけることで、痴漢被害は止まったものの「あの~、いたずらで何か付けられてますよ」と声を掛けられたり「痴漢する方も相手を選ぶよな」と背後で心無い言葉を言われたりしていたそうです。
そこで、より自然に身につけやすいようにカードからバッジへ変更。
そして、一人でも多くの痴漢被害者を減らすべく「STOP 痴漢バッジ プロジェクト」が始動します。
クラウドワークスとサーチフィールドが痴漢抑止活動センターと連携して、2015年11月よりクラウドワークスで缶バッジのデザインを公募。バッジ製作資金や普及活動に於ける支援者の募集をFAAVO東京23区で行っていて、そのデザインが今月25日に決定したんです。
全国から443作品のデザイン提案が集まり、クラウドファンディングの支援者は209人、支援金は115万5000円(2015年1月27日現在)。
また、支援が150万円に届いた場合、東京と大阪の2都市で、各494個(「抑止」にちなんで)の配布イベントも開催する予定とのこと。
今後は3月から支援者へのバッジ送付を開始し、痴漢抑止のためのセミナーなどを開催。学校への配布なども行われる予定です。
痴漢が多い埼京線
埼玉県民の利用率もかなり高い埼京線は痴漢が多いことで有名で、2014年11月に逮捕された神奈川県平塚市の教育委員会職員の男(46)の供述は「埼京線なら痴漢できると思った」というものでした。
また、警視庁が2009年にまとめた統計では、都内の電車内で起きた痴漢被害のうち、埼京線は12%で、路線別でもっとも多かったといいます。
もちろんこれを阻止するべく埼玉県警も動いていて、2015年4月、犯人の手を掴むと赤いインクの×印を付けることができるシールを埼玉県警が無料配布。
このシールは、痴漢かなと思ったときにはまず、携帯電話などに貼ったシールを相手に見せて警告し、それでも痴漢行為が止まらない場合には、2枚重ねになっているシールの上1枚をはがし、赤い「×」印を犯人の手に押しつけるという二段構え。
赤いインクはこすっただけでは落ちにくい油性の顔料素材で、痴漢の犯人の手には証拠が残る仕様。
たか子さんもこのシールの存在は知っていたそうですが「間違えて、やっていない人の手を掴むのが怖い」と思い、使用しなかったんだとか。
そう、確かにこのシール「張られたら人生終わりシール」と世論は賛否両論で、男性側からは冤罪が怖くてもう電車に乗るのが嫌だという声が続発しました。
「明日から、痴漢冤罪が怖いので出社しませんって言い訳が通用するレベルで恐ろしい話」
「このシールが広まったら、中東に旅行に行くより埼京線に乗る方が、よっぽど危険だと思う」
「男が電車に乗る権利が失われた」
さらに女性側からも
「被害者が加害者に対して近距離で直接的に行動を起こすことの難しさを、多分警察の方々はあまりわかっていらっしゃらないのではないかと…」
「例えば満員電車で私が嘘ついてこれ使って騒いだらどうなる?痴漢って割と言ったもん(被害者)勝ちなとこあるし、何人かグルでハメることもある」
「埼玉県警の痴漢防止シールは絶対無駄。そんな手間かけるより声出すなり、手を掴むなりしたほうが早いし、できない子はシールすらできないと思う。冤罪もさらに増えそうだし、そもそもダサくてそんなシール貼る人あまりいないと思う」
と、冤罪を心配する声や、デザインの指摘も多数挙がりました。
痴漢抑止バッジは、クラウドファンディングの支援者の投票と、特別審査員の女子高校生136人のアンケートを反映したものなので、身に着けること自体が心理的負担とならないような柔らかいテイストになっています。
この痴漢抑止バッジの画期的なところは、痴漢犯罪者をいかにして捕まえるかという観点ではなく、痴漢被害者をいかに減らし、また、痴漢を未然に防ぐことでいかに加害者を減らせるかというところにあります。
↓こちらの四コマ漫画が、このプロジェクト発足まではとっても見やすく分かりやすくなっています。
【目標300%へ!】「痴漢抑止バッジ」をつけて痴漢行為から身を守ろう!
このバッジが全国的に広がり痴漢犯罪・冤罪が減ることを祈りつつ、埼玉県内でも広く知れ渡って欲しいですね。
嬉しすぎる!上野東京ラインが埼玉県民にもたらす5つのメリット
出典 : 朝日新聞デジタル / STOP痴漢バッジプロジェクト
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埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中