草加市民にとっての餃子といえば王将でも満州でもなく珍来だ
ライター : ピイロ・タッカー
居酒屋での他愛もない会話の中で、一人の友人がこう言った。
「やっぱ牛丼と言ったら松屋だよな」
まるで、司会を、ゆでたまご・植毛・脱税でお馴染みの板東英二が務め、レギュラー回答者には所ジョージという、エキセントリックなキャスティングで当時人気を博したクイズ番組「マジカル頭脳パワー」の名物コーナー「マジカルバナナ」よろしく、「牛丼と言ったら松屋」というワードを皮切りに、「いやいや、牛丼と言ったらすき家だろ」「バカ!牛丼と言ったら、吉野家だろ」という、脂ぎったオジサン4人がそれぞれの推しメンならぬ推し牛のプレゼン合戦が始まったのだ。
草加市民の餃子といったら「珍来」
牛丼といえば、我々オジサンのソウルフードでもあるが故、みんな一歩も引かない一触即発の空気が深夜の居酒屋に漂った。
結果的にそれぞれに良い部分があるという事で話がまとまり、平和的解決を記念して〆になか卯で牛丼を皆で食べて帰ったのは今となっては良い思い出である。
もしこれが、牛丼ではなく餃子だったらどうなっただろうか?
餃子の場合、全国的に有名なチェーン店といえば「餃子の王将」ではないだろうか。
しかしながら草加市出身のボクからすれば餃子の王将は決して餃子を代表する店ではないと考えている。
おそらくほとんどの草加市民も同じ考えであり、餃子といえばと聞かれれば「珍来」であると答えるのではないだろうか。
「珍来」は草加市に総本舗を構えており、谷塚駅や草加駅、獨協大学前駅等、東武スカイツリーライン沿線中心に展開している中華料理店である。
この珍来の餃子は大振りで具沢山なのが特徴であり、皮はパリッと中はジューシーな逸品なのである。
ボクはこの珍来が全国区ではないにしても、埼玉県では最もポピュラーな餃子のお店であると信じて疑っていなかった。
「珍来」か「ぶんぶん餃子」
次点で「ぶんぶん餃子」だと思う。
しかし世界は、いや埼玉は意外にも広かった。
友人との会話の中で「昨日、満州行ってきた」という戦地から帰ってきたかのような報告を受け、どういう意味かを確認したところ「ぎょうざの満州」という店があるとのことだった。
しかもどうやら埼玉ではとても有名であり、「餃子といったら満州だ」と言ってきかないので調べてみたら、埼玉県所沢市に本店を構えておりほぼ埼玉全域に展開しているとのことで、なんというかもう珍来より全然店舗数もあった。
草加市に「ぎょうざの満洲」爆誕
ただ言い訳させてほしい、ボクが知らなかったことには理由がある。
驚くことに草加市にはぎょうざの満州がなかったのである。
そんな珍来幕府のおひざ元で、のほほんと暮らしていた草加市に黒船襲来。
ついに今年7月に「ぎょうざの満州」がオープンしたということを風の噂で聞いた。
今後、草加市民の「餃子と言ったら~」の常識が覆るかもしれない。
川口餃子戦争
ちなみに、ボクが現在住んでいる川口・蕨のエリアには「珍来」「ぎょうざの満州」の他にも「ミスター餃子」という、西川口と蕨、西浦和で展開しているお店があり、もちろん「餃子の王将」も鎮座している。
そしてつい先日も川口駅東口に「東京餃子軒」というお店が新しくオープンし、ちょっとした餃子激戦区になりつつある。
もしかしたら埼玉も、宇都宮や浜松に次ぐ餃子消費量となる日がくるかもしれない…
そんな事を思いつつオジサンはまたビールを飲み干すのであった。
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昼はサラリーマン、夜は町の平和を守るため日々パトロールに余念がない。基本的に1杯目はビールだが2杯目以降はウーロンハイに切り替える健康志向。草加市出身、川口市(西川口)在住。