障害者像をぶっ壊す!埼玉県の障害者バンド「スーパー猛毒ちんどん」のロックショーがすごい
そうだ埼玉.com公式ライター :未衣子
こちらは、埼玉県さいたま市の障害者団体「虹の会」の公式サイトに掲載されている一文。
“障害者のバンドと言えば、みなさんどんなイメージを持っていますか?
ゆったり? ほのぼの? 勇気をもらえる?
私たちのライブで、そのイメージは見事に打ち砕かれる事を確信しています。
(中略)
障害者は勇気を与えるために生きてるわけじゃない。
私たちはこれからも「猛毒」を名乗り続けるでしょう。常識を打ち破り、お世話される対象としての障害者像を壊したい。信じるために懐疑しようぜ。作られた意識を疑ってみようぜ。そんな気持ちをロックします!
オレたち、イカれたスーパースター「スーパー・猛毒・ちんどん」”
心あたたまる無難なものよりも、過激でトゲと爆発力のあるものを求めるみなさん!!!
そんな埼玉県民にこそ、ぜひ見てほしいパフォーマンスがあります。
今回は、「虹の会」によるバンド「スーパー猛毒ちんどん」によるライヴの様子をご紹介します。
魑魅魍魎が暴れた!熊谷市でのライヴの様子
2017年6月18日、熊谷市のモルタルレコードで、「突然猛毒スパパーン」というライヴが開催されました。
出演者は太陽肛門スパパーン・突然段ボール・スーパー猛毒ちんどんという、埼玉県で活動している3つのバンドです。
(淡々と事実を述べているだけなのに、みなさんの名前が凄すぎて、なんだか冒頭からカオスになって参りました)
さっそくステージに登場したスーパー猛毒ちんどんですが、なんといきなり客席にはみ出してくるではありませんか!
さすがは大所帯バンドですね。いや、そんな冷静なコメントをしていられる状況でもないのですが……。
初めのうちは座っていた観客も、激しい煽りを受けるうちに、いつの間にか総立ちの状態に。
もはや誰が演者で誰が観客なのか、見ているこちらまで分からない状態です。
そして耳に入ってくる歌詞といえば――
「ションベンしたいのに呼んでも来ない!!!!!!!」
思わず吹き出してしまいそうな可笑しいフレーズを叫んでいますが、その意味を理解するやいなや、なんだかヒヤッとします。
(排泄をしたいのに、介助してくれる人をいくら呼んでも、なかなか来ない……。)
スーパー猛毒ちんどんが叫ぶのは、すべて自分たちの実体験。
そこに障害者としての彼らの姿はなく、ただ表現者としての彼らがいます。
だからこそ、ヒヤッとした次の瞬間にはその凄まじい勢いに圧されて、なぜか笑えてしまうのです。
ちなみに、そんな彼らのパフォーマンスに対して“感動”は禁句。
なぜなら先手を打たれて「感動するなら金をくれ!!!」と宣言されてしまったからです。
「感動しました」とでも言ったが最後、高額なチップを要求されることが目に見えているぞ……?!
気をつけろ、奴等はかなり危険だ!!!!
スーパー猛毒ちんどんは取扱注意のイカれたスーパースターだった
“感動”と呼べるほど他人事ではなく、気づけば自分も踊ってしまっていたスーパー猛毒ちんどんのライヴにとてつもない破壊力があるのは言うまでもありません。
一緒に踊っている自分も、少しずつ魑魅魍魎に混じっていくような――なんとも不思議な時間でした。
少しでも気になった方は、ぜひ彼らのパフォーマンスを自分の目で見て確かめてみてくださいね♪
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埼玉で文章を書くうさぎ。ゴーストライターとして生計を立てている。好きな埼玉は、鳥居観音、聖天宮、オートレストラン鉄剣タロー、ご当地キャラのカパルなど。鴻巣市在住。