徹底した埼玉色ゼロ番組「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」こそ埼玉の象徴だ
ライター : ピイロ・タッカー
世界的なロックバンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーを題材にした映画「 ボヘミアン・ラプソディ」が、社会現象ともいえる異例なヒットを飛ばしている。
キャスティングも良かったし、演出もとても良かったと思うが、やはり曲の持つ力が凄かったのだと、改めて感じることができた作品だった。
そして、この映画の中でも最大のクライマックスは、「ライブエイド」のシーンだろう。
埼玉のライブ・エイド
この「ライブエイド」は、84カ国に生中継された20世紀最大のチャリティーコンサートとも言われているが、ここ埼玉においても、そんなチャリティ精神を受け継いだコンサートが催されている。
それこそが、埼玉のライブエイドこと「埼玉政財界人チャリティ歌謡祭」である。
このイベントの収益はすべてチャリティに充てられるのだが、歌うのはプロのアーティストではなく、埼玉県知事や市町村長、埼玉県内に本社・支社を置く企業の偉いさんなど、埼玉県を代表する政財界人。
それを毎年、1月1日にテレ玉のゴールデンタイムで、2時間半も放送されるという、ローカル色と突っ込みどころ満載のイベントである。
その内容はお察しの通り、とにかくゆるい。
なんかもう、一緒にステージに立っているゆるキャラよりもゆるい。
埼玉色ゼロ
まず、トップバッターを飾るのが、東京ガスの支店長。
いきなり東京て。。。
まぁでも社名だから仕方がない。
そして歌う曲がサザンオールスターズの『東京ビクトリー』!?
100歩譲って社名は仕方ないにしても、曲は変えられただろ!
埼玉要素はよ?
エントリーした時点で誰も何も言わなかったのだろうか?
その後も続く政財界人のパフォーマンスは、ゆるさのオンパレード。
だけどこれが段々と癖になっていくから不思議である。
財政界ズ・ハイになっているのかもしれない。
埼玉政財界人チャリティ歌謡祭の法則
ここで一つ気づいたのが、基本的に、市町村長は置きに行った選曲をするのだが、企業の偉いさんは趣に走る傾向がある。
そしてこれが妙に俗っぽい。
市町村長は、地域のダンスチームや市の職員と一緒にパフォーマンスする中で、偉いさんはプロのダンサーを雇ったり、行きつけの飲み屋の姉ちゃん的な人を連れてくるという、なんかもう本気(マジ)なのである。
そこがまた人間味があっておもしろい部分であり、この番組の醍醐味なのかもしれない。
徹底して埼玉色ゼロ
そして最後は、ゲストとしてプロの歌手が登場するのだが、これもまた埼玉に縁もゆかりもなければ、思い入れすらもなさそうな山川豊が登場。
しかも歌う曲は『アメリカ橋』。
だから。。。埼玉はよ?
これが埼玉県の答え
でもこれこそが、埼玉の良いところだと思う。
こだわりがない、プライドもない。
楽しければいいのである。
郷土愛だなんたらよりも、楽しければいい。これこそ埼玉イズムと言える。
今回が28回目ということで、30回目を迎えるころには、全国ネットで放送したり、他の県と中継をしてみたり、ライブエイドに負けないくらいの規模になればいいなと願っている。
そして最後に歌おうじゃないか。
『We Are The World』を。
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昼はサラリーマン、夜は町の平和を守るため日々パトロールに余念がない。基本的に1杯目はビールだが2杯目以降はウーロンハイに切り替える健康志向。草加市出身、川口市(西川口)在住。