住みたい街ランキング2021発表!埼玉大躍進の理由とは
編集長 : 鷺谷政明
住みたい街ランキング2021が発表となった。
「埼玉大躍進!」と言われているが、実は埼玉県内のランキングだけで見ると、そんなに変わっていない。
では、なにが「埼玉大躍進!」なのか、ゆっくり見ていこう。
調査期間
まず気になるのは、「このアンケートは、いつおこなれたのか」という調査期間だ。
この手のランキングは結構たくさんあって、 LIFULL HOME’Sによる「住みたい街ランキング」、いい部屋ネットの「街の住みここち&住みたい街ランキング」、アルヒ株式会社による「本当に住みやすい街大賞」、オウチーノによる「人気駅ランキング」など、それぞれ調査方法や期間は異なる。
ちなみに、LIFULL HOME’Sの「借りて住みたい街ランキング2021」では7位に蕨が入っていたり、アルヒの「本当に住みやすい街大賞」では1位に川口、10位に浦和美園が入っている。
出典 : 本当に住みたい街大賞2021
SUUMOの住みたい街ランキングは、リクルート住まいカンパニーが関東1都4県(神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城)に居住している人を対象におこなうWEBアンケート。
スクリーニング調査期間が、2020年12月15日 ~ 2021年1月15日で、本調査がおこなわれたのが2021年1月4日~ 2021年1月15日なので、かなり最近おこなわれた調査ということになる。
※スクリーニング調査対象数は243,767人、スクリーニング調査回収数は39,385人。本調査有効回答数は7,000人。
埼玉県の住みたい街ランキング2020
まずは、2020年版の住みたい街ランキングから、埼玉県だけを抽出した結果を見てみよう。
1位 大宮
2位 浦和
3位 さいたま新都心
4位 川越
4位 和光市
6位 川口
7位 所沢
8位 武蔵浦和
これが、総合100位圏内に入った埼玉ベスト8だ。川越と和光市は同率4位。
これが、2021年だとこうなった。
埼玉県の住みたい街ランキング2021
1位 大宮
2位 浦和
3位 さいたま新都心
4位 和光市
5位 川口
6位 所沢
7位 川越
8位 武蔵浦和
顔ぶれは全く変わらない。
唯一違うのは、川越が4位から7位に落ち、和光市・川口・所沢がそのまま上がった点のみである。
次は、総合順位を見てみよう。
埼玉県の住みたい街ランキング2020(総合順位)
04位 大宮
10位 浦和
19位 さいたま新都心
43位 川越
43位 和光市
45位 川口
56位 所沢
89位 武蔵浦和
埼玉県の住みたい街ランキング2021(総合順位)
次に、2021年版の総合順位。
04位 大宮
08位 浦和
15位 さいたま新都心
33位 和光市
34位 川口
44位 所沢
46位 川越
63位 武蔵浦和
昨年よりランキングが上がったものは赤字にしている。
つまり今回の「埼玉大躍進!」の内訳は、埼玉ベスト8のうち、6つがランキングを上げ、さらに、さいたま新都心、川口、所沢、武蔵浦和が、過去最高順位をつけたところにある。
県内だけで見ると顔ぶれも順位もそこまで変わっていないが、全体で見ると順位を押し上げているのだ。
埼玉ベスト8のうち、7つが50位圏内に入っているし、武蔵浦和は63位だが、昨年の89位から飛躍的に順位を上げた。
川越も、県内ランキングでこそ順位を落としてはいるが、総合順位では昨年と同じくらいの位置で踏ん張っているのだ。
浦和も、2019年時にマークした最高順位の8位に返り咲いている。
コロナ禍でどう変わる住みたい街
今回のプレスリリースによれば、「新型コロナウイルス感染症による住みたい街への変化影響」という項目で、このようにまとめられている箇所がある。
・ 65.7%の人はコロナ禍でも「住みたい街」は変化していない。
・ テレワーク実施者の方が非実施者に比べて「住みたい街が変わった」という割合が高い。
住みたい街ランキングの上位4位(1横浜、2恵比寿、3吉祥寺、4大宮)が3年間変わっていないように、実は今回のランキングでは、そこまで大きな意識変化は起きていないこともわかる。
しかし、テレワーク実施者の半数近くは「住みたい街が変わった」と考えるようになってきている。
また、「コロナ禍を受けて理想的な街に求めることの意識変化」といった項目では、このようにまとめている。
・コロナ禍を受けての「理想的な街」に求めることの意識変化の1位は、「医療施設が充実している(病院や診療所など)」。
・「一回の外出で複数の用事を済ませられる」「歩ける範囲で日常のものはひととおり揃う」といった、地域での暮らし利便性の充実度が重視されている。また「物価が安い(5位)」「住居費が安い(7位)」も上位にランクインし、生活費の安さへの意識も高まっている。
・他方、従来は街選びの意識で高かった「個性的な店がある」「人からうらやましがられそう」「有名」といった羨望系の項目は最下位に位置している。
医療施設の充実、歩ける範囲で日用品が揃えられるか、物価の安さ、この3つが、これから求められる街になりそうだ。
埼玉躍進の背景には、こういった風潮が後押ししていると考えられる。
知名度やオシャレさ、といったブランドイメージも、あまり重要視されなくなってきた。
SUUMOの編集長、池本洋一氏は埼玉の躍進を、このように分析している。
「コロナ禍でずっと外になかなか出られないなかで、すごく良いところいっぱいあるじゃんと、暮らしやすいじゃんということに気付かれた」
埼玉県民として、僭越ながら一言申し上げておく。
なにをいまさら。
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