町おこしでありがちな最もやってはいけないこと【そうだ埼玉メルマガ】
正義と悪、愛と憎しみは常に背中合わせ
何かのムーブメントが起きると、必ず、賛成か否定の2つに意見が別れます。
難病の支援を目的としたアイスバケツチャレンジは、政治家から芸能人なども行い大変話題になりましたが否定的な意見も多数ありました。
今だと同性婚の合憲可決により世界的に溢れるレインボーカラーでしょうか。
SNSアイコンでもレインボーカラーにする人が増えてきましたね。
今後は更に増えるでしょうし、それに対して否定的な意見も必ず出てくると思います。
アイスバケツチャレンジでもレインボーカラーでも、一番大事なのは、強要しないことです。
例えばあなたがレインボーカラーのアイコンにした後、あなたの友人がレインボーカラーにしたら、あなたはちょっと嬉しくなるはずです。
人は共感を求めて生きる性質があるので、
「おお、お前もか!さすが分かってるね!」
となる。
ということは同時に、レインボーカラーにしてない人に勧めたくなってくるんです。
「これは同性婚を祝福する行為なんだ!一緒にやろう!」
「いや、俺は別に…」
「なんで?同性愛の人達をお前はまだ差別してるのか?」
「そういうわけじゃないけど…」
「じゃあやれよ!」
「…」
同性愛を認める、つまり、色々な愛の形を認めるという素晴らしい出来事なのに、祝福の仕方を一方的に押し付けるという何とも皮肉な話です。
これは極端な描写ではありますが、知らず知らずのうちにあなたもこの強要をしている可能性があるんです。
正義と悪、愛と憎しみは常に背中合わせで、ちょっとしたことで簡単に正義は悪になり、愛は憎しみに変わります。
正論を振りかざす町おこし
実は町おこしも、正論を振りかざした正義の押し売りになりやすい性質を持っているんです。
「弱い人を守ってあげよう!」と、「弱い人をぶん殴ろう!」だと、当然、前者の考えの方が正しいのは誰でも分かりますよね。
この前者の考えの人が、このような変遷を辿るんです。
「弱い人達を守ってあげようという会を作りました。参加してくだい」
↓
「なんで参加しないんですか?弱い人達は放っておいて、自分さえ良ければいいんですか?」
↓
「このやろう、参加しろって言ってるんだよ!ぶん殴るぞこのやろう!」
弱い人を守ろうの会なのに、弱い人を殴ろうの会になってしまうという、まるで笑い話のような例ですが、色んな人達から話を伺ってると、町おこしにおいてこういうことをされて嫌な思いをしたという話はすごく良く聞くんですね。
「お前地元が嫌いなの?自分が住んでる所なのに?なんて薄情な奴なんだ」
直接的にこうは言わなくても、まるでこう言われてるかのような印象を受け、好きでも嫌いでもなかった地元が本当に嫌いになったという話でした。
町おこしというのは、その町を良くしよう、アピールしようということでやるものですが、それに賛同しないものを排除しようということではないはずです。
間抜けな赤ニット帽の本当の狙い
私があの帽子でメディアに出続けているのは視認性、つまり「そうだ埼玉の人だ」と一発で分かってもらえるように被り続けてきていることもありますが、実はもう一つの狙いがあったんです。
これ、一度も私からは言ったことはないのに、見抜いた人が2人いるんです。
それは、キャラ付けです。「ふざけた」キャラ付け。
例えば私を見て、行政や自治体の人だと思う人はいないでしょうし、 サラリーマンだと思う人もいないでしょう。
とりあえず、真面目そうにはまず見えないと思います。
見た目の滑稽さ、うさんくささが全面に出ていますよね。
そうだ埼玉や埼玉ポーズの仕掛け人として私単体がメディアに出る以上、みんなにそうだ埼玉を聴いてもらえるよう、みんなに埼玉ポーズをネタでやってもらえるよう仕向けないといけないわけですが、一番やってはいけないのは、強要、つまり、押し付けがましくなってしまうこと。
例えば埼玉ポーズ仕掛け人が、真面目そうなネクタイスーツの行政の人で、丁寧な口調で
「現在埼玉県では埼玉ポーズ推進活動を行っておりまして、埼玉ポーズをしてくださった県民の方へ県の記念グッズなどのプレゼントをさせて頂いております。つきましては、埼玉県民の皆様、記念写真やプリクラなどの際は是非、埼玉ポーズで撮影してください。また、ご家族ご友人にも教えてあげてくださいね」
と連日テレビに登場して話していたら、おそらく今のようにはなってないでしょうし、ぱるるがやることもなかったと思います。
2015年06月10日
埼玉ウォーカーの表紙でぱるる(島崎遥香)が当サイト発の埼玉ポーズで登場!止まらない“そうだ埼玉”の進撃
あの帽子を被るだけで妙なうさんくささや馬鹿っぽさを出せる。
とにかく「埼玉ポーズをしない埼玉県民は埼玉県民じゃない」などといったような押し付けがましいニュアンスで捉えられることだけは防ぎたかったんです。
「ダサイ」「うける」「なにこれw」でせっかく広まった埼玉ポーズなので、それを冷ましてはいけない。
仮に報道が簡潔化されようと、あのテイ(スーツに赤ニット帽)で出ている以上、仕掛け人の、つまり私のルックスや出で立ちは映像的に変えようがありませんから、真面目に語っても、馬鹿っぽく映ることはあっても押し付けがましくは見られにくい。
仮に押し付けがましいことを言っても見た目に説得力がないから、押し付け力も弱い。
変なニット帽にスーツ、これに加えておかしな言動の1つや2つでも入れておけば、「こいつがやってるそうだ埼玉っていったいどんなのなんだろう?」と、勧められなくとも気になってくる。
面白いもの、違和感があるもの、変なもの、おかしなものには、言われなくても人は勝手に呼応するものなんです。
それが私がとったプロモーション方法でした。
誰も反応しないのは面白くないから
どんなことでも誠心誠意やることは大事ですが、人を楽しませようとする時、誠心誠意さと健全さはイコールではありません。
正しいことを追求して、健全にやっても人には迷惑になってしまうことがあります。
そして、正しさや思想を追求すると、人が呼応しなかった時、それを人のせいにしてしまいがちなんです。
私は、正しさや思想よりも、面白さを一番に追求します。
そっちの方が、人が呼応しなかった時、自分が面白くなかったからだ、と原因がはっきりできるんです。
自分の正しさを相手に押し付けるのではなく、相手の笑顔を作り出すにはどうすればいいか、と考えることが大事だと思いますし、私にはそちらの方がよっぽど健全に思えます。
つまり、この町の良さをどうやってみんなに伝えようかではなく、この町の住人はどうやったらみんなが笑うだろうか、と考えるんです。
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埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中