2014年12月19日

町おこしは何のためにやるべきか 後編【そうだ埼玉メルマガ】

町おこしは何のためにやるべきか 後編【そうだ埼玉メルマガ】

 


自己満足を押し付ける町おこし

地域プロモーションや町おこしは、同じ思想の人達だけが集まってやり、自分たちの道徳観や美徳感に同意できる人間だけを集めてやるので、自己満足に陥りやすいという落とし穴があります。

異物を排除し身内だけでやったものが地域や町に浸透することはありません。

なぜなら、地域住民はもっと多種多様な異物だからです。

 

埼玉が好きだから埼玉を突き放す

最終目的が自分たちの精神の浄化、自己満足にあるなら問題はありませんが、それを人に押し付けるとなると、場合によっては危険な方向にもなりかねません。

最終目的がみんなに広める、知ってもらう、体感してもらう、楽しんでもらうといったような不特定多数の人達に参加してもらうことにあるなら、例えば埼玉県なら、まずは埼玉県を突き放して見れるくらいの深い愛情がないと成立しないんです。

なぜなら、日常的に埼玉県を突き放してる人達に向けて発信するわけですから、その人達の観点を持てなければ、その人達と思いを共有することは出来ません。

子供にしても、好きで好きで愛でて愛でて家から一歩も出さずに囲っていてはその子はきっと立派な大人にはなれません。

可愛い子には旅をさせろの如く、愛しているからこそ信じて突き放す

ここで言うのは、「別の何か」ではなく、自分自身に対してという意味合いも含みます。

前回記載したジャズプレイヤーやお笑い芸人の流れで言えば、

町おこしは何のためにやるべきか 前編【そうだ埼玉メルマガ】

2014年12月16日

町おこしは何のためにやるべきか 前編【そうだ埼玉メルマガ】

どんな道に行っても自分がジャズを愛する気持ちがブレることがなければ、サックスでポップスでもAKBでも吹けるはずで、どんな手段でも自分がお笑いを愛する気持ちがブレることがなければ、1分ネタでもダジャレでも出来るんです。

ここの愛情が希薄で中途半端なものだと、自分の美徳感をはじめとする様々な感覚に抵触し、執拗以上に拒絶してしまいがちです。

地域プロモーションや町おこしは、営利目的じゃないことも多いので、特にこの覚悟が必要です。

広め、知ってもらい、浸透させるために、異物を取り入れるほどの覚悟があるか、またはあくまで自分達だけで楽しくやりたいだけなのか。

プロデューサー観点になって考えてみれば分かるように、地元だろうと何だろうと、関心がない町の自己満足な町おこしに付き合わせられるのは誰もが嫌だと感じるでしょう。

 

知ってもらうためのアイデアや企画力は不可欠

当然、地域プロモーションや町おこしと言っても様々な種類や形態、活動があります。

世間一般的には非常に関心を持ちにくいことだけど、でも知っておかなければいけない大事なこともあります。

それであったとしても、伝えるための工夫は必要なんです。

 




12歳の少女が37歳の男性と結婚した理由

今年の10月、ノルウェーの12歳の少女が自分のブログで、37歳男性との結婚を発表し世界的に話題となりました。

shoujyo

母親に突然聞かされ、決定したとのこと。

この女の子は結婚相手を「いい人みたいだけど、ヒゲがおじさんっぽい」とコメントしていて、映画で見るようなキレイなウエディングドレスや、指輪や可愛いケーキにワクワクしている様子でしたが、その一方で日が経つにつれ、

「冗談でしょ?結婚したら家から出ないといけないんだって……」

「ネットで調べたら、結婚式の夜に妻は夫のためにセクシーにしているってたくさん書いてた!」

「一緒に裸になってふれあわなければならないってこと?大人のすることでしょ?私はいや」

など、不安や困惑も多くつづられていて、12歳の少女が親に強制されたという結婚について赤裸々に語られる様子に市民からは猛烈抗議がされ、この結婚式を阻止すべく、警察や児童福祉局に通報する人もいたそうです。

そしてこの子のブログはノルウェーで最も読まれるブログになりました。

実はこれ、国際NGOプラン・インターナショナルが行った、児童婚撲滅キャンペーンだったんです。

つまりフェイク。

分かりやすく言うと、ドッキリ

プラン・インターナショナルによると、世界では毎日3万9000人の子供が結婚を強制されているそうです。

多くの人に「児童婚問題」を知ってもらえれば、1人でも多くの少女が残酷な運命から逃れられることができると考え、この女の子の立場を借りて、“子供の声”を発信したというものです。

毎日3万9000人の子供が結婚を強制されているなんて私は知りませんでしたが、実際この一件で知りました。

おそらく、プラン・インターナショナルが、「世界では毎日3万9000人の子供が結婚を強制されているんですよー」と発信しても、日本にいる私達のところまで届かなかったと思います。

でもちょっとしたアイデアを取り入れて発信したことで、世界的に拡散され話題となりました。

結果、多くの人がこの問題を知ることになりました。

 

知ってもらえないと意味がない

どんな思いも、どんな出来事も、どんな魅力も、知ってもらえないと意味がないと私は考えています。

「私本当はめっちゃいい女なのに…」と思っていても、それを知ってもらえないと意味がない。

日を追うごとに溢れだしているこの情報化社会の渦中で、発信するのは簡単になりましたが、知ってもらうことはものすごく難しい時代になりました。

今は手軽に安く発信できるので、USTREAM、YouTube、Facebook、Twitter、Webサイトなどを使って自分で発信しよう!という幻想に誰もが陥りますが、発信するのは簡単でも、伝えるのは昔以上に難しくなっているのが現代です。

発信する以上は伝えるためにやっているわけですから、その方法や、手段、つまりは企画力やアイデアが、最も問われるんです。

そこを無視して、自分達の思いと、流行りのツールを使うだけでは何も届きません。

音楽業界を見ても、テレビで流してヒットが出る時代は、もうだいぶ前に終わりましたし、恋愛においても、好きな人に好きと伝えてうまくいく世の中なら、恋愛ソングやドラマ、小説やマンガもananも売れません。

好きだから、自分の存在を知ってもらい、振り向いてもらい、自分を好きになってもらうために、工夫するわけですよね。

自分を磨き、相手の気持ちも考え、アプローチをしていく。

地域プロモーションや町おこしというのは、その魅力を知ってもらうための活動であることが多いと思います。

であれば、異物を取り入れ、埼玉県を突き放し、どのように楽しく発信するかを先に考えていくことから始めると、町おこしや地域プロモーションがたくさんの人に理解され、伝わっていくと思います。

地域プロモーションや町おこしの活動を一生懸命されている方たちからお問い合わせを頂くことが多いので、(ありがとうございます!)私の考えを2回に渡って記載してみました。

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町おこしは何のためにやるべきか 前編

  • 発行人 : 鷺谷政明(さぎたに まさあき)twitter
  • 埼玉県を中心に企業や自治体などの広告制作・プロモーション事業を請け負う天下茶夜代表。2014年、埼玉ポーズが生まれた動画「そうだ埼玉」を制作・公開。同年に「そうだ埼玉.com」オープン。2016年より埼玉県のトップクリエイターを集めた「埼玉県おもしろ内閣」を組閣するなど埼玉県内で様々な事業を展開。埼玉県上尾市出身。
    メディア出演 : 日本テレビ「ヒルナンデス」フジテレビ「めざましテレビ」TBS「白熱ライヴビビット」「あさちゃん」テレビ朝日「グッドモーニング」NHK「首都圏ネットワーク」TOKYO FM「Honda smile mission」FM NACK5「monaka」他

 

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鷺谷政明

埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中


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