埼玉県に貢献したいと思うただ一つのこと【そうだ埼玉メルマガ】
埼玉県のためではない
私はこれまで何度か、この県に無数にある「埼玉を愛する会」的なものに誘われたことがあります。
「これだけ埼玉県に貢献しているんだから、是非入ってほしい」という、どこも非常に好意的なお誘いでしたが、私は全てお断りしてきました。
なぜなら、「埼玉県に貢献しよう」という思いでやっている意識が私にあんまりないからです。
埼玉出身の俺にだってできるぞ、埼玉県にだってこういうのあるぞ、という思いでやってきているだけで、埼玉県の「ために」という意識はありません。
何のためにと言われれば、最終的には全て自分のためにやっています。
「でもそれが結果として貢献しているのだからややこしいこと言うなよ、形だけでもいいから入ってよ、真面目か」とも言われるんですが、なんか後ろめたい気がして駄目なんですね。
批判されるのは慣れていますが、自分で自分を批判しないといけないような状況を作るのはいい加減な私でもちょっと辛い。
私はただ面白いことを考え、それを作り、一人でも多くの人を笑かすのが好きなだけなんです。
だから広告制作の仕事をやっています。
それを埼玉県でやっているのは、私が埼玉県で生まれ育ったからというだけ。
愛ではなく歴史
例えば陸上競技の全国大会で埼玉代表として出場する高校生は、埼玉県を愛しているから埼玉代表として出るわけではなく、埼玉県出身だから埼玉代表で出ているわけですよね。
愛があるない以前に、その土地にいるという今なお続くその人の歴史。
奥さんを愛しているいない以前に、共に今日まで歩んできたという歴史。
だからこれは浮気じゃないんだ、と、何かの言い訳にしちゃいけませんよ。
話を戻しますが、先の陸上大会でも、「俺、神奈川県民なんだけど埼玉が本当に好きだから埼玉県代表として出たい!」と、どれだけ懇願しても無理ですよね。
そんなに埼玉が好きなら埼玉に帰化しろ、となる。つまり引っ越して住民票を移せと。
感情的な側面から考えてみても、埼玉県が大好きな神奈川県民が「埼玉と言えば、ださいたまでしょ」と言うのと、埼玉県民が「埼玉と言えば、ださいたまでしょ」と言うのとでは、どっちが腹立つかと聞かれればやっぱり前者ですよね。
つまり、埼玉県のために云々ではなく、私はこの土地で生まれ育ってきたからやっているだけなので、表立った「愛する会」的なところへの出入りはしてきていません。
ただ、そんな私でも、ただ一つだけ、この県に、埼玉県に貢献したいと思っていることがあります。
活躍できる土壌
そうだ埼玉は全員埼玉県出身者で作られた「メイドイン埼玉」と銘打って制作し「全て埼玉県産、メイドイン埼玉」と各メディアでも取り上げられました。
今だから言えますが、あれ、実は紙一重だったんです。
埼玉県のデザイナーや、ウェブデザイナー、ダンサーもあの時とにかく見つからなかった。
当時はFacebookページから募集してましたが応募はほとんどなかったし、色んな友人知人に当たっても、本当に見つからなかった。
今でこそ色んな応募が頻繁に来ますが、当時はネット検索してこちらから色んなクリエイターに声をかけていたんですが反応は全くありませんでした。
埼玉県民が埼玉県でやることなんてどうせダサいし予算なさそうだし、つまんなそうと思われていたと推察されます。
東京にはクリエイターがたくさんいます。
私の知り合いのクリエイターも9割9分は東京人。
「メイドイン埼玉というこだわりは捨てないと、いつまで経ってもこれは完成しないぞ」
というタイミングは、当時何度もありました。
ギリギリのところでなんとか見つかってそうだ埼玉は「メイドイン埼玉」として作ることができました。
以前、「埼玉県にアイドルがいない理由」という話をしましたが、
2016年06月10日
埼玉県にご当地アイドルがいない理由【そうだ埼玉メルマガ】
それと同じで、埼玉県にはクリエイターが活躍できる土壌がないんです。
いるんですよ、埼玉県にもアイドルは。
クリエイターもたくさんいます。
人口で言えば720万人もいるんだから、割合的には他県より多くいてもおかしくない。
でも活躍出来ないんです。
「場」がないから。
例えば映像に関して言えば、CMやPR映像を作るクリエイターと資料映像や教習映像を作るクリエイターが、この県では同一線上にいたりするんです。
そうすると、発想力豊かでチャレンジングな若いクリエイターは、必然的に東京に出ていきます。
つまりこの県では、昔からある老舗の業者か大手代理店にしか、クリエイティブな仕事は回ってこない。
それでも県内に回って来ればまだ良いほうで、ほとんどは東京の代理店です。
東京vs埼玉vs天下茶夜
今、地方創生で全国で色んな取り組みが盛んですよね。
映像、イベント、Web、SNS、行政も民間のように様々なプロモーションを仕掛けていますが、よく見てみてください。
あれを仕掛けているのはほとんど東京の代理店ですよ。
地方創生といっても結局東京にお金が落ちるようになっている。
名もなき若きクリエイターは、どれだけ努力しても、どれだけ才能があってもこの県では入り込めません。
才能は、使う側にかかっています。
埼玉県には非常に才能豊かなクリエイターがいます。
モデルをやれるようなイケメンも美人もたくさんいる。
でも誰もこの県で活動しようとしないのは、仕事がないし予算もないし、面白くないから。
予算もなく、面白くもないものに成長はありません。
そこで、この県の広報物を扱う業者として私が出てきたことで、この県が少しずつ変わってきたと話す人もいますが、謙遜せずに仮にそうだとすれば、その反面、私のことが邪魔で邪魔で今すぐにでも消えてほしいと思っている古くからの業者も随分いるようですが私に言わせればこの県はまだ潰し合いをするレベルですらない。
東京や全国から見ればこの県内でのいざこざや奪い合いなんてゴマ粒で、それよりもまず東京や全国をひっくり返すようなことをこの県から送り込むことが先。
それで、埼玉県はすげえ、クリエイティブな町だ、この町でそういう仕事がしたい、と土壌ができていって初めて、その土壌の取り合い奪い合い潰し合いをすればいい。
M-1の決勝戦で駆け引きや心理戦、はたまた事務所同士の裏のぶつかりあいがあるならまだしも予選受付でごたごた言い合ってたら救いようがない。
少ないシェアを貧乏臭く取り合ってるからいつまで経っても東京に持ってかれてしまうわけでまずはこのシェアを大きいものにするために、東京のシェアを獲りに行くくらいの気迫じゃなきゃ話にならない。
所詮埼玉だからと、ここだけはダサイタマに腰掛けてはいけないところで、東京の隣の720万都市として、締める所は締めないといけないんです。
今、私と一緒に仕事がしたいと言ってくる人も大勢いますが、やっぱりちょっと甘いなと思う人が多いのも事実です。
所詮埼玉だしここでそんなにマジになってもしょうがないでしょ、という感覚のような人はどこにいっても所詮たいしたことはできない。
とにかく埼玉県が好きなんです、という思いだけの人も当然ダメで、思いは大事ですが、思いだけでお腹は満たされないし生活もできません。
今も県内のクリエイターらに多数仕事を依頼していますが、もっと大きな予算を彼らに投下できるように私も更に大きな予算を引っ張ってこないといけないし、そうだ埼玉ドットコムのライターにももっと多くの報酬を渡せるようにしていかないといけない。
そうすることで
「埼玉県でもクリエイティブな仕事できるんだ!」
「面白いことできるんだ!」
「お金も稼げるんだ!」
と、若い埼玉県のクリエイター達に少しでも感じてもらえたらと思っています。
埼玉県に貢献したいと思う唯一のこと
現在復活の兆しを見せ始めているバスケをはじめどんな世界でもそうですが、お金が回ってこない産業は絶対に発達しないんです。
ここでキレイ事を言っていたら何も始まらない。
この県のクリエイター達に、この県でもクリエイティブな仕事で、能力があるだけ稼げる土壌を作っていきたい。
私が唯一この県に貢献したいと思うことです。
これからクリエイターを目指そうという人で、「さあ、埼玉でやるぞ!」なんて思う人はまずいません。
みんな東京に出ていくか、都内の大手代理店や事務所に就職します。
私に埼玉県をどうこうすることなんてできませんが埼玉県の若いクリエイター達にこの県でも何かやれるかもと少しでも感じてもらえることならもしかしたら私にも出来るかもしれない、そして、そんなことが出来たらちょっとそんな自分素敵やん、と思ったんです。
自分で自分を批判しなきゃいけない状況より、自分で自分をかっこいいと思える方向に、せめて足の向きだけでも向けておきたいですよね。
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埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中