2024年08月07日

埼玉いちごの逆襲。こうして埼玉は全国一位のいちごを生み出した

埼玉いちごの逆襲。こうして埼玉は全国一位のいちごを生み出した

編集長 : 鷺谷政明

埼玉はいちご県になりました。


埼玉県のいちごが全国一位に

きっかけは、今年2月に開催された第2回全国いちご選手権。

全国から145品のいちごが集まり、産地や商品名を伏せた状態で野菜ソムリエが審査する大会なのですが、ここで最高金賞となったのが、埼玉県のいちごでした。

しかし、本当にすごいのはここから。




受賞した半分以上が埼玉県のいちご

出品された145品中、銅賞以上が20品選ばれるのですが、うち11品が埼玉県産。

ほぼ埼玉の独壇場です。

さらに言うと、第1回大会でも最高金賞は埼玉。


出典 : 農業協同組合新聞

もともと埼玉県は、いちごの生産量日本一のリアルいちご県でした。

しかしそれは1960年代の話で、次々と他県に追い抜かれていきます。

理由は、1960年代の高度経済成長期に急速に普及した、ビニールハウスの導入に埼玉県が遅れたからと言われています。

つまり、元々埼玉県は、いちごを生産する土壌としてのポテンシャルは高かったことが伺えます。

もっと言えば、日本自体がいちごの生産に適していて、全国1位の生産量を誇る栃木県の「とちおとめ」や福岡の「あまおう」など、現在日本には300の品種があり、これは世界の半分に相当する数です。

埼玉いちごの逆襲


埼玉県農業技術研究センター

そこで埼玉県は、いちご農家支援のために、オリジナル品種の開発を開始。

2016年に、埼玉県農業技術研究センターで「かおりん」と「あまりん」が誕生します。

埼玉県が上手かったのは、量ではなく、質を求めたところにありました。

生産量全国1位を目指すのではなく、味で1位を追求した。

今やあまりんは、高いものだと1粒1,000円するものもあります。

その辺の草でも食っとけばいい県のいちごが、1粒1,000円。

一般的ないちごの糖度が10に対し「あまりん」は17もあり、品種改良を続けながら、プロにも評価される味になっていきました。

今回、最高金賞を獲ったのは秩父市の「市川いちご園」のあまりんですが、あまりんは埼玉県ならどの農家でも栽培することが可能で、昨年は春日部市「ヒロファーム」のあまりんが最高金賞でした。

ぜひ一度食べてみてください。

まずは「あまりん」と「かおりん」を。

※本記事は、2024年3月8日に配信の「そうだ埼玉メルマガ -本当に埼玉県がいちご県になった日-」を一部加筆修正したものです

鷺谷政明

埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中



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