今 埼玉県をプロデュースするならこの2つを推す【そうだ埼玉メルマガ】
今埼玉県をプロデュースするなら
埼玉県出身・坂戸市在住の公務員、31歳、ペンネームたつろうさんからのお便りです。
「いつも楽しくメルマガ拝見させて頂いております。(中略)もし、鷺谷さんが今、埼玉県を丸ごとプロデュースするとしたら、どういったことを仕掛けるのでしょうか」
他にも、とても細かくご感想も頂いており、本当にこんなメルマガでも楽しみにしてくれているんだなと、その文面からその思いが伝わってきました。
本気で聞いて頂いてると思ったので、本気で答えます。
今、私が埼玉県をプロデュースするなら、2つあります。
1つ目。
埼玉県って自転車県なんです。
だから「さいたまクリテリウム」があるし、上尾市にはブリヂストンサイクルの本社もある。
また、自転車普及率(自転車保有台数)も勾配の緩やかさも日本一で、埼玉には日本一長いサイクリングロードも通っています。
さらに、世界最古の自転車と言われる「陸船車」が、18世紀初頭、武蔵国児玉郡北堀村(現在の埼玉県本庄市)の百姓、庄田門弥が考案・発明、1860年頃にヨーロッパで発明されたとされている自転車ですが、それより実に130年も前に、埼玉県で自転車の原点が発明されていたという一説もあります。
でもこれ、たいていの人が知らないですよね。
埼玉県=自転車というプロモーションが安定しないのは、アウトプットが定かではないからです。
つまり、ターゲット。
どこに向けて埼玉県=自転車と伝えたいのかが不明瞭だと、県内にも県外にも認知されにくく、受け取る側は、否定も肯定できません。
なので、まずはターゲットを明確にすることが先決です。
ターゲットは埼玉県を除く関東圏
私が埼玉県のプロデュースをするなら「県外」に向けたプロモーションをします。
埼玉県民は埼玉県を好きとは言いませんが嫌いな人は一人もいませんし、埼玉県の良さや扱い方はみんな十分理解しています。
また、今、埼玉県は非常によくメディアに登場します。
なので馴染みは抜群。
しかし、その実態は、ほとんどの人がよく分かってないし、行ってみようと思う人はいません。
埼玉県という名前はすごくよく聞く。
印象は、何もない、ダサい、自虐、この辺りだと思います。
なので、この知名度と、偏った印象を活用するために、他県に向けて「埼玉に連れてくる」発信をします。
プロモーションは、ターゲットを極限まで絞ることが大事なので、東京、神奈川をはじめとする関東圏に絞ります。
それ以外の都道府県はいったんどうでもいい。
ゴルフ県埼玉
私が今プロデュースするなら、自転車ではなく「ゴルフ県埼玉」で推します。
東京の人が埼玉を羨む唯一の瞬間、それは、土地の広さです。
「埼玉のコンビニは停めやすくていいなあ」と言ってる人を、あなたも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
埼玉県は、コンビニの駐車場に代表されるように、ショッピングモールからラブホテルまでとにかく埼玉県の施設はどんなものでも都内に比べて広い。
地価や面積において、東京は埼玉に絶対に勝てません。この先もずっと。
東京都民だろうと神奈川県民だろうと、窮屈な狭いところよりは広々とした快適なところの方が好きに決まっています。
しかし、ここで間違ってはいけないのは、「ゴルフをやるなら埼玉県が全国で一番!」なんてことを決して目指さないことです。
長野軽井沢や沖縄をはじめとして、ゴルフをやるのに最適なところは山ほどありますし、そもそも群馬、栃木、千葉、茨城にも、ゴルフ県として埼玉は劣っています。
ゴルフは観光を兼ねていることもあるわけで、そうなってくると基本的に他県にはまず勝てないわけです。
各都道府県はすぐ何かを探し出して○○一位ということを謳いますが、あれは動機や説得材料であり、それが先行イメージとして認知されていない限りは、それだけで引っ張っていけるほどのプロモーション効果はありません。
無用な一位を探すのではなく、無理に一位を目指すのでもなく、「妥協案の需要」を取りにいくんです。
「埼玉でいっか」という需要を生み出し、それを供給しに行く。
埼玉でいっか
妥協案を拾いに行くというのは、なんともネガティブな印象を受けるかもしれませんが、「部屋着ならユニクロでいっか」というイメージを定着させやがてトップ衣料メーカーとなったファーストリテイリングや、「今日は日高屋でいっか」というチョイ飲み需要をかっさらって居酒屋を軒並み潰してきた日高ホールディングスなど、のし上がった事例は数々存在します。
観光を兼ねず、近い安い広いを優先するゴルフ人口需要を、全部埼玉に引っ張ってくるんです。
先述したように、ターゲットはとにかく絞ることが大事なので、ゴルフをやる一般的な人達全員をターゲットにしてはいけません。
なので、間違っても「ゴルフ県埼玉」なんて打ち出してはいけないんです。
こんなものを打ち出したら即終わり。
「はあ?埼玉なんかでやんねーよ」と疎まれ、イメージを悪くさせるだけ。
では、具体的にまず何をすべきか。
埼玉にゴルフをしに来る人に、「なぜ埼玉県のゴルフ場を選んだのか」という意識調査を徹底的に行い、集約させ、それを広げることから始めます。
最初の理想の画はこうです。
「そうかあ。じゃあ今回はみんな集まれなそうだな」
「あ、でも埼玉県ならみんな集まれるんじゃね?」
「埼玉?あんのいいゴルフ場。高い割に環境も良くねえって聞くけど」
「なんか最近結構良いって噂なんだよ。県自体も力入れてるみたいで、設備とかすごい見直されてて、あと料金もわりと手頃なところも今あるらしいよ」
「ああ、そういえば埼玉って圏央道で行きやすいらしいな。空いてて。埼玉なんか行かねーから興味なかったけど」
「みたいね。結局埼玉って土地だけはあるしさ。だから今回みたいな場合は埼玉でいいんじゃね?」
「そうかあ、じゃあ、今回だけは“埼玉でいっか”」
この現象を多発させていきます。
「確かに埼玉県でもいいのかも」と思わせられる下地を広げることが大事で、埼玉県が広いイメージは他県民も持っているし、東京都民や神奈川県民にしたら、茨城、栃木、群馬よりは行きやすいかもという認識もある。
なので、最初に打ち出すキャッチコピーは、どデカイゴルフ場のキレイなグリーン写真1枚画のど真ん中に、「土地だけはある」、なんていいかもしれません。
なのでこの下地を整えながら、本格的なプロモーションにシフトしていきます。
埼玉県のゴルフ場共通で何かの施策を打ち出すなり、神奈川県民や東京都民限定の割引サービスやイベントを打ったり、旅行会社やじゃらんと組んでみたり、高速道路や新幹線と連動したり、その概要を映像にまとめて訴求したり、プロモーション方法はいくらでもあります。
ターゲットはここまで絞っているので、プロモーションを行うべき場所も明確です。
高級ゴルフショップよりも、アウトレットショップの方が効果的かもしれない。
年配よりも若い人向け、ベテランより初心者向けの方がいいかもしれない。
大学のゴルフサークル向けのキャンペーンもいいかもしれない。
とにかくターゲットは狭く。
目的を明確に。
そして、ゴールはなるべく大きく。
ゴルフ県埼玉のゴール
大きいゴール。
それは、東京、神奈川在住のゴルフ人口を全部埼玉県に引っ張ってくること。
東京人や神奈川県民も利用する埼玉県のゴルフ場となれば、千葉、群馬、茨城、栃木の人も一度は来てみたくなるはずです。
そして関東ナンバーワンのゴルフ場売上を目指し、最終的には住まわせてしまう。
100を狙えばよくて80。
150くらい目指してなんとか100いける。
とにかくゴールは大きく設定。
私の回りの埼玉県民のゴルフ好きにリサーチした限りですが、埼玉県のゴルフ場を使わない理由としては「質の割に高い」というものが一番多かったですね。
実際的なところは可能な限り改善しつつ、あとはプロモーションのやり方一つで「今回は埼玉でいっか」という妥協案をさらってくることは可能だと思います。
これが一つ目の埼玉県プロデュース案です。
二つ目は来週に。
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埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中