2016年01月15日

埼玉県の面白さはネイティブ埼玉県民にあった【そうだ埼玉メルマガ】

埼玉県の面白さはネイティブ埼玉県民にあった【そうだ埼玉メルマガ】

 


ださいたま達観派と反論派

埼玉県と言えばダサイタマ。

この自虐的なイメージを、達観的に捉える人と否定的に捉える人で埼玉県民は2分します。

多くの埼玉県民が前者で、つまり達観的にサラッとネタ程度に受け止める、いわゆる「そうだ埼玉」の歌詞に代表される捉え方です。

一方で、「埼玉ってダサくないじゃん!良い所じゃん!なんでダサイタマなんて言われて黙ってるんだ!言い返せよ!」といった方ももちろんいます。

つまり、埼玉県を主観的に見て、反論する人達。

この両者には、実はちょっとした共通の特徴があります。

 

ネイティブ埼玉県民とは

達観視できる人は、ネイティブ埼玉県民に多いんです。

つまり、生まれも育ちも埼玉の人。

そして、主観的に捉える埼玉県愛が強い人は、移民組に多いんです。

他県で生まれ育ち、埼玉に移住してきた人。

普通は、自分の郷土が小馬鹿にされたら怒るのが当たり前なんです。

他県から移住してきた人は、埼玉が好きで埼玉に来たり、埼玉に住んでみて埼玉が好きになったから、小馬鹿にされることが許せないんです。

そもそも自分の住んでいる地域がネタにされること自体に免疫もないので「ダサイタマなんかじゃない!」と憤るんです。

考え方としてどちらが普通かと言われれば、「ダサイタマなんかじゃない!」と憤る方が普通です。

郷土を小馬鹿にされてもネタで返せるネイティブ埼玉県民の方が、全国的に見ると異様で異質

 

ネイティブ埼玉県民の面白さ

基本的に、自分の県を自虐的に捉えて扱えるのは埼玉県民くらいで、これは確かに特殊なんです。

作家の谷村昌平さんはそこにいち早く目をつけ、埼玉出身でも埼玉在住者でもないのに埼玉を徹底的に研究し、「埼玉県の逆襲」「うんちく埼玉」などを手掛けヒットさせました。

埼玉の面白さというのは、谷村さんも目をつけた、この、異様で異質なネイティブ埼玉県人の県民性にあるんです。

逆に、移住組の埼玉県愛はとても普遍的で、埼玉県内だと逆に浮いてしまうという妙な現象が起きるんです。

ちなみに、「俺はネイティブ埼玉県人だけど、埼玉愛強いぞ!」という人がいたら、その人の親の出身を調べてみてください。

きっと、両親が特徴がある都道府県の出身だったりするはずです。

埼玉県がいじられてよくメディアに登場するのはこの異様な県民性があるからで、他県から見るとその県民性が面白いから取り上げられるんです。

実はこれこそが、他県にはない唯一無二の埼玉県の特徴なんです。

ネイティブ埼玉県人は、生まれた時からダサイタマ県人なので、他県からそう言われることに免疫があり、なぜダサイタマと呼ばれるかという理由も自分で理解できてしまっています。

異性を気にしだす中高生時代も、既に世間からダサイタマとして認識されて生きてきているので、そんなことはもうとっくに織り込み済みなんです。

そしてそのことをネタで返せるネイティブ埼玉県民は、誰よりも埼玉県の良さを知っているからです。

そしてその良さは、第三者に理解できるものでも、してもらうものでもないということも知っています。

ネイティブ埼玉県民は、埼玉県で生まれ育っているので、当然、青春も初恋も全部埼玉県で経験してきています。

なのでネイティブ埼玉県民にとっての埼玉県の本当の良さというのは、その思い出であり、それらの歴史なんです。

自分にとっては大事な場所だけど、他人からすればどうでもいい場所。

それが埼玉なんです。

 




埼玉県の良さとは

そもそも埼玉県の良さというのは、埼玉県に限らず、東京や千葉をはじめとして、一都五県に行きやすいところも多分に含まれています。

そしてもちろん、ことあるごとに「県外まで出ていかないと」的なわずらわしさはなく、県内でも十分な環境が整っている。

郷土愛=その土地の中にあるものだけを愛せ、なんていうのはおかしな話で、埼玉県民なんだから埼玉県内の施設を利用しろというのは、日本で結婚式を挙げたんだから国内で新婚旅行をしろというのと同じです。

どこに旅行に行こうがこっちの勝手だろうと、誰もが思うはず。

海にも山にも旅行に行ける利便性だって埼玉県の重要な良さでもあるわけで、県内県外と線引きせずに生まれ育ってきたその時間と、そこで共に歩んできた人達に対する愛も含めて郷土愛なんです。

 

「そうだ埼玉」に込められた思い

「そうだ埼玉」という歌は、その愛を一番に歌っています。

色んな場所や街があって、他からとやかく言われるけども、嫌だなんて思ったことは一度もないぜ、なぜなら俺達は、この街で生まれ育ってきたからだ、だから、どこへ出かけようと、ダサイタマだろうと、いつでも俺達を待っててくれている、そうだ、それが埼玉なんだぜ、と。

埼玉県民に青春時代の思い出の場所を聞けば、ディズニーランドかもしれないし、原宿かもしれないし、横浜かもしれません。

それが埼玉県民の埼玉愛なんです。

そうすると当然、

「なんだよ、全部他県じゃねーか。やっぱり埼玉は何にもないんだな」

となることが分かっているから、埼玉県民は郷土愛というものを声高に表現しないだけなんです。

そういった、普段表には決して出さない埼玉県民の郷土愛を全て集約した一言を、「そうだ埼玉」の歌の最後に置いています。

ネイティブ埼玉県民こそが、ダサイタマという言葉を野放しにし蔓延させた張本人であり、また、そのダサイタマを凌駕するほど埼玉の良い所を形成し発展させ続けてきた、誰よりも埼玉愛に溢れた人間であることもまた事実です。

おそらくここまで細かいところまで理解される日はまだ先になると思いますが、これが、埼玉県の面白さの実態であり、他県にはない埼玉県民達の魅力です。

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鷺谷政明

埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中


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