ヒットする人気マスコットキャラクターの作り方【そうだ埼玉メルマガ】
ヒットしているものを素人が真似てもヒットしない理由
例えば「埼玉ちゃん」というマスコットキャラクターを作ったとします。
この埼玉ちゃんを広めようとする時に、
・テーマ曲を作ってみよう
・そのテーマ曲でダンスをさせてみよう
・キャラクターをつけて喋らせよう
・歴史や背景を作って何かとコラボさせよう
と誰もが考えますが、これは徒労に終わります。
まず、テーマ曲なんか素人が一朝一夕に作れるわけがありませんし、作詞作曲が出来る専門家に頼んだところでその良し悪しをジャッジするのが素人なら誰が作っても同じことで、結局、プロデューサーがいないと意味がありません。
喋らせようにも、中の人の高いユーモアセンスが問われるので全てその人次第になりますし、もっと言えば中の人を誰にし、どう演出させるかを決めるのが素人ならやはり同じことです。
喋るゆるキャラと言えばふなっしーですが、ふなっしーが受けたのは中の人のタレント性が高いからであって、そのスタイルだけ模倣しようというのは、お笑い芸人「笑い飯」のダブルボケ・ダブル突っ込みスタイルが受けたから、俺たちもその漫才スタイルでやればM-1で優勝できるかも、と思うのと同じことです。
あのスタイルは笑い飯のような才能があるプロフェッショナルがやるから成立しているんで、スタイルだけを真似て誰もが面白く出来るというわけではありません。
歴史や背景を作って、何かとコラボさせるにも、かなり高いビジョンと説得材料がなければ人は呼応しませんし、力づくで露出量を増やしたところで、魅力がないもの、見せ方が間違ってるものをどれだけ露出させても、短期的に話題になることはあっても誰も近づいては来ません。
街中で「パン!」と音がすれば一瞬みんなが振り向きますが、翌日にはすっかり忘れてしまっています。
数打ちゃ当たるで、とにかく思いついたことを全部やってみるというのも1つですが、そういった、まるで宝くじを買うような闇雲な方法は、時間やお金を随分使うことになってしまいます。
量産され続けるマスコットキャラクター
世の中には様々な職種があり、様々なプロフェッショナルがいます。
地域プロモーションにしても、行政イベントにしても、いくら県をあげて、市をあげてやろうと、プロフェッショナルには敵いません。餅は餅屋です。
予算が多少あれば外注でプロフェッショナルに手助けを依頼出来るでしょうが、予算がそんなにない場合は自分たちでやるしかない、というところから、笑っていいのか、いじっていいのかも分からない妙なものが県や市や町から量産され続けているのが今の世の中です。
特に埼玉県民は優しい人が多いですから、
「なんだこれ、きもちわりーゆるキャラだな」
とはそう言いませんし、それでも言ってもらえるだけ本来ありがたいことなんですが、さあみなさん、カワイイでしょ、握手してあげますよ、グッズもありますよ、どうですか、と自信満々で、ましてや行政の人に来られると、市民は突っ込んでいいのかどうかさえ分かりません。
そうなると、あとはなるべく巻き込まれないようにするか、作り笑顔をする他なくなります。
善良な市民を困らせてはいけません。
誰でも簡単に好かれる人気マスコットキャラクターを作る方法
「でも俺たちは曲を作るプロではないし、企画やプロモーションのプロでもないんだからしょうがないだろう。県や市や町のことを考えて一生懸命やっているんだ。文句言うな」
と思われるかもしれません。
そこで、誰でも簡単にマスコットキャラクターや、また、地域プロモーションや行政イベントを盛り上げることが出来る最良の方法をお教えします。
例えば埼玉ちゃんを広めようと思った時に、みんな埼玉ちゃんのことを考えますが、そこがまず間違いなんです。
埼玉ちゃんを広めるために、埼玉ちゃんのことを考えるのではなく、みんなが今、何に関心があるかを最初に考えるんです。
AKB、コスプレ、アプリ、SNS、LINE、アナ雪、恋愛、受験、東京五輪、消費税・・・
世の中が関心があるものを最初に考えます。
そこに埼玉ちゃんを組み合わせていくんです。
AKBが流行ってるから、AKBファンということにして、AKBの曲を全部踊れるマスコットキャラにしよう。
いや、それだとご当地キャラと全然関係ないから、せめて埼玉県出身のAKBの子がセンターになった曲だけ踊れるキャラということにしよう。
いや、それだとAKBのブームが去った後きつくなるから、ダンス全般踊れるキャラにしよう。
そうすればヲタ芸、EXILE、きゃりーぱみゅぱみゅ、金爆、マイケル・ジャクソン何が流行っても全対応型だ、で、常に踊ってみた映像をYouTubeから発信しよう。
だから踊り映えする形状にしよう。
または、歌がうまい人を中の人にして、歌ってみた映像を発信しよう。
そうすればアナ雪でも中島みゆきでも歌える歌姫みたいなキャラにして、声が出る所を工夫しマイクをうまく集音できる作りにしよう、。
で、要所要所でうちの県にまつわるダンスや歌をやらせよう。
LINEが流行ってるからLINEスタンプで映えるキャラにしよう、そこで認知させてからキャラクターを作ろう、などと、こういった発想方法で考えていくだけで、大衆の感覚とまるでチグハグなことになることはかなり避けれます。
ふなっしーは元々、東日本大震災で元気がなかった船橋を活性化したいという想いから、Twitter上だけの活動から始まり、フォロワーの要望を受け、着ぐるみが製作され、YouTube上で活動を開始していきました。
つまりふなっしーも、東日本大震災、Twitter、YouTubeと、当時誰もが関心があった「点」を「線」で繋いでいくように登場してきた経緯があります。
ふなっしーの動ける、喋れる、という上っ面をただ模倣するのではなく、ふなっしーが出てきた経緯に注目するんです。
「何を伝えるか」ではなく「どのように伝えるか」
何かを知ってもらおうとする時、「そのもの」自体のことを誰もが考えますが、そうではなく何が面白いかを最初に考えます。
ふなっしーが「梨汁ブシャー」と叫ぶのが面白いのではなく、あの甲高い声や喋り方自体が前提として面白い。
林先生のあの小憎たらしい表情と言い回しで「今でしょ?」と言うから面白い。
「梨汁ブシャー」も「今でしょ」も、言葉自体を切り取ってみれば特別際立って面白くはありません。
なのでこの「梨汁ブシャー」や「今でしょ」の部分から考えていく発想方法だと、プロフェッショナルやタレント性がある人には絶対に敵いません。
なので、「面白い」「楽しい」「笑える」「カッコイイ」「かわいい」など、世の中の人が関心を持つものが何かを最初に考えて作っていけば、大きく外すことはかなり減らせることが出来ます。
何かを伝えたい時は、本当に伝えたいことをグッと一度飲み込んで、「どのように伝えるか」を一番に考えてみてください。
「何を伝えるか」ではなく、「どのように伝えるか」です。
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埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中