2014年05月19日

月曜から夜ふかし側に絶対教えてはいけない埼玉vs千葉の真実【そうだ埼玉メルマガ】

月曜から夜ふかし側に絶対教えてはいけない埼玉vs千葉の真実【そうだ埼玉メルマガ】

 


ライバルがいてくれる幸せ

戦争はよくありません。

例え理想論であっても、キレイ事であっても、全ての物事は戦争を誘引しないような方向へ向かうべきだと思います。

しかし、“競争”はいいことです。

例えば100m走でも、早い人と走るとタイムが伸びるという傾向があります。

つまり、人は競争相手がいないと成長しにくく、競争相手がいた方が成長しやすい特性があります。

その相手を指針、または目標とし、その相手に打ち勝つことだけを考えればいいので、ライバルがいた方が努力もしやすいんです。

一番難しいのは自分との戦いであって、人と戦う方が成長しやすい。

競争相手、つまりライバルがいるということは、実はとてもラッキーなことと言えるんです。

 

笑いは、本気と冗談の割合がいいと起こる

話は変わりますが、“笑い”というのは、本気と冗談の割合がうまく取れていると起こりやすいと言われています。

本気100%だと引いてしまう。

冗談100%だと嘘臭くて笑えない。

「今からこけますよーこけますよー」と伝えられた上でこけられても誰も笑わないですよね。あくまで普通に歩いているように見せておいて突然ずっこけるから笑いが起こる。

演出、脚色、やらせ、ガチ、色々な表現がありますが、本気と冗談のバランスが上手く取れていると、人は笑う、つまり、楽しいと感じます。

その割合は必ずしも5:5とは限らず、6:4、7:3、8:2、など、状況は種類によって様々ですが、本気(本心、本音)と、冗談(ネタ、シャレ、嘘)のバランス具合が、人が笑う、楽しいと感じるかどうかの肝になっています。

 

埼玉と千葉は漫才コンビ

「埼玉より千葉の方が上だよ。千葉はディズニーランドとか空港とかあるし」

と言うと「なんだと?」と埼玉県民は起き上がります。

「千葉より埼玉の方が上だよ。埼玉の方が都会だし。東京にも近いし」

と言うと「なんだと?」と千葉県民は起き上がります。

でも、千葉を心から憎み、千葉出身というだけで嫌悪感を抱くという埼玉県民はいないし、埼玉出身というだけで嫌悪感を抱くという千葉県民もいません。

ここで、埼玉と千葉の関係性というのを、先述した、「笑い」のバランスがとてもよく取れている関係性だと、1つ平和的な仮説を立てたとします。

本気でライバル視してるところもあるけど、どこかネタとして捉えているところもある。

だから現にテレビでもメディアでも「埼玉vs千葉問題」はよく取り上げられますよね。

いがみ合ってくれてる部分がないとネタにならないし、かと言って心の奥底から本当に毛嫌いしていたら、笑い話には昇華させにくい

ビートたけしさんはツービート時代、漫才の練習をしていたら、回りの人に「おいおい、お前ら喧嘩はやめろよ」と止められたそうです。

「いや、喧嘩じゃなくて漫才の練習してるんだけど・・・」

と返したそうですが、漫才も、俯瞰して見ればどついたり叩いたり、一見喧嘩しているように見えますが、冗談だと分かっているから笑える。

「なんでやねん」と頭をはたいて相手の頭から血が出たら誰も笑いません。

埼玉と千葉の関係性というのは、「本気」と「冗談」のバランスがすごくよく取れていて、第三者、つまり他県民から見ても、どこかガチっぽく、どこかほのぼのしてて、面白いんです。

埼玉と千葉というのはそんな漫才コンビのような関係性の部分があって、どこかでお互いそれを理解しているところがあります。

 




埼玉も千葉も共に全国へ

埼玉vs千葉問題の面白いところは、結論が出ないところにあります。なので先述した仮説もやはり仮説に過ぎない。

結局、県としてどちらが上かなんていうのは、何を基準として決めるべきかすごく難しく、だからずっといい距離感でいがみ合いが出来るんです。だから色んなメディアが定期的にいじってくれる。

埼玉vs千葉問題で、埼玉や千葉を知り、興味を持った人もきっといるはずです。

正直なところ、他県から見れば、埼玉も千葉もどんぐりの背くらべで、結局どちらも五十歩百歩のところはあって、一番大事なのは、決定的にどちらかがどちらかの上になることなんかではなく、埼玉も千葉も全国に発信していくことです。

この問題で埼玉県民にとって一番辛いのは、他県民に「千葉の方が上じゃない?」と言われることよりも、「どうでもいい」と言われてしまうこと。

関東は東京と神奈川にしか興味ないし、埼玉と千葉どっちが上でも何でもいいです、一生行くこともないだろうし、と。

冷静に考えれば、行ったことも興味もない県と県の争いなんて、普通は誰も興味を持ちません

でも「埼玉vs千葉問題」は昔からローカルのあるあるネタとして扱われ、最近では「月曜から夜ふかし」で定期的に登場します。

こんなローカルネタを、なぜあのような全国放送の限られた時間内で扱っているかと言えば、それは視聴者が面白いと思ってくれているからで、その理由は、埼玉と千葉がまるで漫才師のような絶妙な温度感で揉めているからであり、かつ番組の演出がうまいからです。

であれば埼玉県民は、もっともっと千葉を刺激し、千葉県民は、もっともっと埼玉を煽ってもらわないといけません。

そうすることで「埼玉vs千葉問題」を、神奈川が霞むくらい更にメディアに拾ってもらい、お互い良き競争相手としてより今以上に全国区になっていく。

そしてこういった狙いは日本テレビ「月曜から夜ふかし」のスタッフに気づかれてはいけません。

あの番組はかなり「埼玉vs千葉問題」を取り上げてくれているので、今後も取り上げてもらえるよう、あくまで世間的にはいい具合に、本当にライバル視して、敵視してる感を出さないと。

 

地域プロモーションの大きな間違い

県や市が何かPRをしようと思った時、必ずと言っていいほど、自分のところの特産物や自信があるもの、良いと思っているとこを真っ先に売り込もうとしますが、人は、自分が知らないものを売り込まれると、嫌悪感を抱くものです。

全く知らないおじさんに、「この水飲むと健康になるから、買わない?」と言われたらたいていの人は逃げてしまいます。

でも、北島康介選手が「俺いつもこれ飲んでるんだ。良かったらどう?」と言われたら誰もが興味を持つはずです。

それは、北島康介選手のことをみんなが知っているからです。

北海道や京都、沖縄に比べれば、埼玉や千葉はこの話に出てくる知らないおじさんです。

埼玉県で有名な食べ物と言えば○○という、全国的に知られている有名なものがあるなら、それは勧めやすいですが、それがない以上は、まずは知ってもらうことが大事なんです。まずは自分の県の存在をきちんと知ってもらった上で、自分の県や市の勧めたいものを発信する。

知ってもらい、まずは聞いてもらえる土壌を作らないといけない。

だから埼玉も千葉も、うまく相手を利用しつつ、共にいいライバル関係として全国へもっと知ってもらえるように、時には突っ込み、時にはボケ、そんな、漫才コンビのような関係性でお互い切磋琢磨していくのが、もっとも平和的かつ、お互いにとってもプラスになる関係性だと思います。

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鷺谷政明

埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中


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