2017年02月03日

埼玉県に一番欲しいのは速度感【そうだ埼玉メルマガ】

埼玉県に一番欲しいのは速度感【そうだ埼玉メルマガ】

 


ピコ太郎に見る速度感

ピコ太郎ほど話題になるものが登場したときに面白いのは、あれをどう捉えるかというそれぞれの見解ですよね。

「短いからいい」
「誰でも覚えやすい」
「簡単な英語だったのがヒットの要因」
「あんなの何が面白いの」
「ただの一発屋」
「早速子供がやってた」
「古坂大魔王は昔から海外進出を企ててた」
「ジャスティンの影響力はすごい」

人によって色々な見解があります。

ピコ太郎は2016年8月26日にYouTubeに動画を公開し、一ヶ月後の9月27日にジャスティン・ビーバーがTwitterで取り上げ世界的なムーブメントとなっていきました。

そこから様々なイベントや番組に引っ張りだことなり紅白にも出場。

CMにも多く起用され、アベマTV、ワイモバイル、バイトル、タマホームなど、年末年始あなたもきっと一度はピコ太郎を目にしたと思います。

様々な見解があって然りですが、私が注目したのはあの速度感

9月27日にジャスティン・ビーバーが取り上げてからどれくらいのタームで各社はピコ太郎にCMオファーをかけたのか。

 

2ヶ月半でどこまでできるか

通常テレビCMの制作は、オリエンから局納品まで3ヶ月から半年くらい。

普段からCMでよく見る企業ばかりなので枠はもともとあったとは思いますが、10月の段階で年末年始に流すCMの内容が全く未確定ということは考えにくい。

ということは、決まっていたものまたは予定していたものを差し替えることを想定し、新たな企画と予算を組んで社内に了承を取る。

あなたならここにどれくらいの日数が欲しいでしょうか。

社内だけでなく、元々予定していたものに携わっている外部の関係各位に話を通す必要もある。

その後の流れを鑑みると、社内で了承が取れたら早速各所ヘオファーに動く。

制作チームはおそらく抑えられる。

どちらにせよ何かしら撮る予定だったとすれば制作陣のスケジュールは抑えやすいはずだし、私もそうですが代理店はいくつもの制作チームと組んでいるもの。

問題は演者ですが、ピコ太郎単体ならまだしも、ワイモバイルなら桐谷美玲とかそういったレギュラー陣を呼ぶためにはスケジュールが難関になるのでどうしてもダメな時の代替え案も必要。

そして全体のスケジュールが決まれば撮影し、編集、チェックを繰り返し、納品。

全体の期間としては、ジャスティン・ビーバーが9月28日に取り上げた日を起点とし、年末から流すと考え12月中旬にはマスターを納品したいとすれば正味2ヶ月半

工程を「社内了承・調整」「制作・納品」大きくこの2つに分けるとすると、最初の社内了承を取るまでの時間がいかに肝になってくるかが分かると思います。

もちろん、ピコ太郎を起用したCMはどれも元ネタのパロディーであり、あれならスタジオを抑えて演者とスタッフを突っ込めばできてしまう内容なので制作自体はすぐにできるし、PR期間においても、あの頃はピコ太郎登場(起用)というだけで話題になっていたので戦略や仕掛けもあまり必要ない。

それもメリットとして分かっていたからこそすぐに動いたのだと思います。

 

PRは速度感で決まる

広告・PRの世界ではとにかく速度感が大事で、タイミングが命と言ってもいいくらい。

今月なら100の効果のものが来月には20の効果にまで落ちるということは頻繁に起こります。

ピコ太郎を起用した一流の広報マン達や代理店は何よりもそのことを理解しているため、その判断力や行動力は機を見るに敏と瞬時に動き、年末年始はご覧の通りの露出となった。

埼玉県は、県民気質特有の周りにならえ気質があるのでどうしても出遅れることが多い。

このメルマガでも取り上げた「アイコス」にしても埼玉県の見解は「他県の状況を鑑みて」でしたよね。

アイコス解放区を作って地域PR【そうだ埼玉メルマガ】

2016年09月02日

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松井大阪府知事なんかは「あれは副流煙ないんだからどこで吸ってもいいだろ」と言い放っています。

先頭を走っている人間は何かあっても方向転換できますが、あとをついて行ってるものは、気づいたら先頭を見失ったり探したりと大変。

先頭の意志が分からないからとにかくよく観察して必死についていくしかない

 




タイミングが無理なら継続

とは言ってもうちの会社は稟議やら何やらでタイミングの大事さは分かるけどどうしても時間がかかるんだよ…という場合は「継続」を念頭においてやることです。

タイミングをはかれない以上爆発力は得れないので、一度二度で終わるものではなく継続的に続けられるPR体制が必要になってきます。体質改善をするために。

つまり継続的にやることで、社内調整の便宜であったり、代理店との連携力も上がるので、タイミングをはかりやすい環境づくりが出来るんです。

そうすることで世の中のベストなタイミングで投下することができるようになってくる。

これはどこの職種、業界でも同じ。

 

埼玉県にしかないもの

埼玉発で話題になったものって実はほとんどないんです。

建物やイベントにしても他県にあるものを埼玉でもやったというだけで、お祭りにしてもこの県独自のものがあるわけでもなく、花火大会、マラソン大会、町バル、街コン、どれも他県にあるもの、あったものがほとんど。

恋チュンのようなものでも佐賀県や神奈川県に先陣切って先にやられています。

例えばバレンタインデーのようなものをこの県で作っちゃおう!という観点の人はほとんどいない。

先日のメルマガの全裸デーのような。

ダンスデーか。

理由がないと動けない埼玉県民【そうだ埼玉メルマガ】

2016年12月22日

理由がないと動けない埼玉県民【そうだ埼玉メルマガ】

つまり、他県にはなく、埼玉県にしかないものをつくれるかということ。

埼玉県には何でもあるのに「何もない」「ダサいたま」と言われるのは、この県にしかないものがないからというのは実は一番起因している。

海なし県と突っ込まれるのもそれで、海なし県は8つもあるのに、他県がそこを突っ込まれないのは、埼玉には何でもあるんだぞという逃げ口上を封じるために「でも海ないじゃん」と切り返されるからです。

ダサイタマの払拭だとかイメージ向上だとか未だに真顔でやってる人がいますが、自分の旗を堂々と振ってる県はど田舎でもカッコイイんです。

埼玉と茨城を比較した時、茨城の方が圧倒的にど田舎ですが、どっちの方がダサいか、と聞いたら埼玉と答える人の方が多いはず。

茨城は田舎でも決してダサくはない。

埼玉は田舎じゃないけどダサい。

自分の言葉で、自分のタイミングで動けないことを人はダサいと呼ぶんです。

アメリカの動向次第の日本は、東京の動向次第の埼玉と似ていて、まさに日本の縮図埼玉を醸し出していますが、埼玉は別に東京と何か条約を締結してるわけではないので、たまには先陣切ってもいいとは思います。

そうすることで、この県にしかないもの、それはモノでも形あるものでもないかもしれませんが、他県にはなく埼玉県にしかないものが出てくると思います。

それはゲームなのか、飲食スタイルなのか、習慣なのか、どんなものでもいいので、そういったものが1つでもたくさんあったらいいですよね。

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理由がないと動けない埼玉県民

「いじられる」を埼玉県民が真面目に考えてみた

  • 発行人 : 鷺谷政明(さぎたに まさあき)twitter
  • 埼玉県を中心に企業や自治体などの広告制作・プロモーション事業を請け負う天下茶夜代表。2014年、埼玉ポーズが生まれた動画「そうだ埼玉」を制作・公開。同年に「そうだ埼玉.com」オープン。2016年より埼玉県のトップクリエイターを集めた「埼玉県おもしろ内閣」を組閣するなど埼玉県内で様々な事業を展開。埼玉県上尾市出身。
    メディア出演 : 日本テレビ「ヒルナンデス」フジテレビ「めざましテレビ」TBS「白熱ライヴビビット」「あさちゃん」テレビ朝日「グッドモーニング」NHK「首都圏ネットワーク」TOKYO FM「Honda smile mission」FM NACK5「monaka」他

 

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鷺谷政明

埼玉ポーズを作ったクリエイティブ・ディレクター / SNS総フォロワー12万人 / 小説『ブルーハーツを聴かずに親父は死んだ』web連載中


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